政治学 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official
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沖縄の不都合な真実 (新潮新書)沖縄の不都合な真実 (新潮新書)
(2015/01/16)
大久保 潤、篠原 章 他

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This book is recommended by my clleague born and brought up in Okinawa. This book analyzes Okinawa economy is based on American bases and the Japanese government's subsidy. The writer pointed out that Okinawa economy can't become independent without Amercan bases. According to the writer, this is ill-shaped reality in Okinawa.

 沖縄出身の後輩から読んでみたらと推薦されて読んでみた。

 もっと知りたいと思った点。

(1)無人偵察機などの技術革新によって、そもそも米軍基地の存在意義とか必要性について、米軍側でも大きくかわりつつあるのではないか。そもそも、日米安保条約を前提としつつも、日本全体での基地負担を軽減するための方向性はないのか。

 重要と思った指摘。
(1)2011年9月27日沖縄タイムズの記事によれば、名護市議会がキャンプハンセンの山林162haの返還をやめ継続使用を要求したこと。(p56)

 基地があることによって、膨大な借地料が所有者である市に入ること、また、区に対しても分収金と称して相当の金額は支払われるため。

(2)基地さえなくなれば沖縄は経済成長するという既存の分析について著者が疑問を呈していること。(p88)

(3)沖縄では、県当局、県議会とマスコミ、労組、学識者が一体化しているという指摘。(p104)

(4)沖縄の貧困の背景には、所得が公務員に偏在し、公民格差が大きいこと、県民所得が全国最低であるだけでなく、ジニ係数も全国最大であること、離婚率全国一、DV発生率全国一など、社会問題が隠されてること。(p119)
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ローカルからの再出発--日本と福井のガバナンスローカルからの再出発--日本と福井のガバナンス
(2015/01/28)
不明

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This book is covered the politics of local governance by experts of politics and administrations. I am familiar with this academic area, so I did not find innovative viewpoints. Though I found several interesting points; social democracy and conservatism have common characteristics in cultivating local community.

 役所の図書館から借りてきた。

 宇野重規先生は、東大の政治学の先生。自分の専門と近い分野で、最近はやりの、ガバナンス論を扱っているのだが、なんとなく新鮮味や説得力が感じられない。

 それでも時々光る文章あり。

(1)日本の江戸時代は、村請制で領主は村の自治まで口を出さなかった点は地方自治があったともいえる。もちろん身分制の問題はある。(p19)

(2)近年では旧来的組織が弱体化しているため、新たな住民自治組織が唱道される傾向にある。(p47、名和田『コミュニティの自治』

(3)ガバナンス論はNPMの市場主義に対抗するイギリス、オランダ、北欧の学者が提唱した。(p81)

(4)日本の大都市は成長エンジンとされながらも、工場等立地制限と大都市から地方への財政移転によって抑圧されてきた。(p105)

(5)社会民主主義と保守主義は、共同体主義の点で共鳴しあう。(p169、キムリッカ『新版 現代政治理論』
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安倍政権は本当に強いのか (PHP新書)安倍政権は本当に強いのか (PHP新書)
(2015/02/14)
御厨 貴

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 御厨先生は、佐々木毅先生の系列で、東大政治学の本流。

 『明治国家をつくる』『権力の館』など、政治学と都市計画の間を攻めている学者として注目している。

 しかし、この本は新聞や週刊誌でよく書いてある、安倍政権への講談本。もう少し、政治の基調となる政治思想を分析するには向いていない。ちょっと残念。東大政治学科では今は誰が頑張っているのだろうか?

 ちなみに、タイトルでうかがわせる安倍政権の弱さは、総理と官房長官がしっくり行かなった時に発生すると言っている。でもそれって、官邸をよく見ている人ならだれでもそう思っている。しかし、安倍総理が憲法改正とか強行しないかぎ
り、そういう問題は起きないのではないか、その意味で安倍政権の強さは続くのではないか、という気もする。そのぐらいしか、この本読んで、コメントする気がしない。残念。

以下、おもしろいと思った記述を列記。

(1) 位置No. 971-976
また、安倍政権のかなり重要な部分にさまざまな示唆を与えている財界人として、JR東海の葛西敬之・代表取締役名誉会長が挙げられます。安倍さんを囲む会を十年近く続け、今でも「首相の動静」欄に頻繁に出てきます。元来読書家で、読売新聞の書評委員も務めました。思想信条を有する財界人として特異な位置を占めます。葛西さんはメンターに近い人と言ってよいかもしれません。

(2)位置No. 1034-1036
安倍さんが自民党のほうを見ないのは、党の政治家にはアメを与えておいて現実の政治は官邸で、という完全に官邸─自民党の二分体制になっているからです。

(3)位置No. 1166-1169
敵がいなくなったとき、間違いなく組織はダメになります。つまり対立相手がいないということ自体が逆に安倍政権を弱める契機になる。最重要政策のアベノミクスでさえ、雰囲気に支えられていて、推進力があるようでありません。

(4)位置No. 1227-1229
かつて一九四〇年、すべての政党が解党し、大政翼賛会が、そして翼賛政治会ができて、“一国一党”に近い状況になったとき、衆議院各派は、政党別から地域別に変わり、やはり拠り所を求める行動に出ました。古い例ですが参考にはなります。

(5)位置No. 1727-1729
後藤田はこの国で総理の力がこれ以上強くなることを逆に懸念していました。彼は基本的に性善説ではなく性悪説で、政治家を信用しない。「こんな連中に力を与えたら何をするかわからない。だから総理大臣の権力には歯止めをかけなければならぬ」。

(6) 位置No. 2131-2135
安倍さんは第一次内閣がそうだったように、基本的に「飛びたい人」です。地道に実績を積み重ねるのではなく、憲法改正なら憲法改正と一気に飛躍したい。第一次内閣でやろうとしてできなかったことを第三次内閣でやろうと思わないわけはありません。  これまでの二年間は官房長官と歩みを同じくするのが成功の道だとしても、これから飛躍するときに菅さんの限界も見えているはずです。「まだそんな地道にやっていくの?」というように。

(7)位置No. 2122-2124
官房長官と総理大臣の目指していく方向は、第三次安倍内閣になるとズレが生じてくるのではないかと私は思います。そうすると強固な人間関係もそこから崩れていく可能性はある。

うーん、なんか皮相的な分析だよな。そうゆう人間関係の裏にあるもう少し構造的な問題や課題を知りたい。
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革新幻想の戦後史革新幻想の戦後史
(2011/10/22)
竹内 洋

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 著者は、発刊当時、関西大学の社会学の先生。

 著者の自分史を交えながら(京大教育学部から生命会社、結核療養、大学院復帰などなど)、知識階級、知識人、インテリ、進歩的文化人と称される戦後のグループを社会学の道具を使いながら分析。

 特に、平和主義、安保反対、基地反対と共産党又は社会党に共感を寄せた有名大学の大学教授についての批判的分析が並ぶ。

 読み物として面白いのと、小熊英二『民主と愛国』を同じ視点ながら、より戦前と戦後の連続性を指摘している。

(1)大きな視点としては、西洋史学者の野田宣雄氏の論文を引きつつ、「欧州は第一次世界大戦後、フランス、イギリスで、平和主義、理想主義が蔓延して、それがヒットラーの進出を許した経験から、第二次世界大戦後は、欧州は理想主義に疑念をいだき、極度に現実主義になった」のに対して、「日本は、第二次世界大戦後に一周遅れ」で、理想主義に傾いた。(p404)

 その意味では、今日本は遅れてきた現実主義かもしれない。

(2)戦後、直後は共産党支持が強く、その後、共産党がソ連の指示により武装闘争を始めて国民の支持を失って、生じた思想的空白に、戦争を悔恨した「悔恨共同体」的な戦後最初のリベラル、丸山真男とか大塚久雄などのグループ、進歩的文化人が主流になった。その後、安保闘争、大学紛争を経て、右はニューライト、福田恆存などから攻撃され、左は、新左翼から攻撃されていって力を失う。ちょうど、雑誌「世界」が売れなくなり、大学生が読まなくなった傾向と重なる。

(3)朝日新聞の早野透が、「進歩的文化人の後裔は、コメンテイター、キャスターだ」という。著者の分析では、「彼らはデュルケームの言葉で言えば、「社会的事実」、ケインズの「美人コンテスト」のメカニズムのように、国民の多数がそう考えるであろう意見を考えて、その意見をいうということに長けている。」まさに予測の予測を繰り返してる。それが最近のコメンテイターの「わかります。よーくわかります。首相(ここは大臣でも社長でもいい)は何を考えているのでしょうか。………次ぎへいきます。」という台詞を繰り返すことになる。(p310)

(4)大学紛争は日大全共闘から始まるが、実は日大は1930年に同じような大学の管理条件、特に劣悪な講師陣のレベル改善を求めてストライキを行っている。特に戦前の私大では教育環境がひどくストライキが頻発した。それが収まったのは徴兵猶予が切れた1943年。
 その後、戦後は、大学のアカデミズムが戦前に圧迫されていた反動で、戦前の戦争協力学者の大半がマルキストになって大学に復帰し、さらに大学の新増設で在野知識人が簡単に大学教授になって、レベルの低い教育、マスプロ教育を行う。その後、私大の大学授業料の引き上げをきっかけに、戦後の大学紛争につながる。(p402)

 今の、厳しい大学院卒業生や博士の就職難を考えると、戦後しばらくは夢のような状況だったんだと痛感。しかし、問題が繰り返すところに、何か根っこで解決できていない問題があるように思う。

 あと、この本で記述している点で重要だと思ったのは、近衛のブレーン、全体主義的主張を行った昭和研究会のメンバーに蠟山政道、笠信太郎、三木清などがいて、丸山真男氏が特に自分の恩師である蠟山氏の批判を意図的に避けていること、1953年に共産党が支配していた県教職員組合が主導して、京都市の旭が丘中学校事件(教育委員会の異動を無視して自主管理、教育委員会の主導する学校との分裂授業となった事件)を引き起こしたことなど、歴史的事実をきちんとおさえておきたい。

 最近、とみに思うのだが、森政稔くんの「変貌する民主主義」など含蓄と考察は鋭いが、メインの政治学者ではないし、社会学者のこの竹内氏とか小熊氏など、社会学者の政治思想史分析に切れ味を感じる。

 この本を読んだ感想からいうと、日本は戦争を悔恨する丸山真男とか大塚久雄などのリベラル知識人がもてはやされたが、あまり社会の基盤までその考え方が沈殿するまでに(そもそも丸山真男氏などはやや高踏的なところがあり沈殿は期待していないのかもしれない)、左右から攻撃されて、リベラル論壇は、崩壊しつつあったということかな?と思う。

 しかし、実は、東大の法学部や経済学部ではなくて、文学部の社会学など、政治思想の周辺分野から、実は、新しい、現実的で実務的で、かつ、強靱な政治思想が生まれつつあるのかもしれないと最近思いつつある。もう少し、政治思想史の勉強を続ける。

 追加してよみたいと思った本・論文。福田恆存「一匹と九十九匹」、小田実『日本の知識人』、小熊英二『1968 上下』
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変貌する民主主義 (ちくま新書)変貌する民主主義 (ちくま新書)
(2008/05)
森 政稔

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 日本の政治思想にどうしてこんなにリベラル思想が弱いのかという問題意識から手にとった。

 実は著者は駒場の語学クラスの同級。政治学科にいったので、ほとんど個人的なつきあいもなかったが、教養の時からなんか勉強している分野が全然違っていた。

 ちなみに、この本は著者自体が現在の政治思想について、いろいろ真摯に分析しているが、びしっと切れ味が鋭いものでもないし、最後にプツッと本が終わる感じ。でも知的刺激は非常に受ける。

 自分なりに論点というか、問いとして心に残った点。

(1)サッチャーやレーガンの思想は、経済的には新自由主義、政治思想的には保守主義だが、実は、新自由主義は保守主義が守ろうとしている、地域の共同体とか伝統を壊してしまうという矛盾を抱えていた。しかし、ケネディなどの時代に進んだ福祉社会国家論へのアンティデーゼとして保守主義の改革の中から生まれてきたこと。これに対応するリベラル勢力は、労働組合の組織率低下に伴い基盤が崩壊しつつあるのに、具体的な新しい動きが見られなかったこと。これはなぜなんだろうか?

(2)民主主義が多数決と高校レベルでは教えるが、一方で、少数派、マイノリティへの配慮も不可欠。これを否定すると全体主義になってしまう。そもそも多数決で決める政治を追求すると、少数意見の排除につながり、民主主義の基盤を突き壊す可能性がある。これをどう防いでいったら良いのか?

(3)グローバル経済の中で、逆に国民国家、ナショナリズムの動きが強まっている。ちょうど、世界各国がクリケットと野球と相撲をやっていれば、ナショナリズムも高揚しないのに、サッカーという簡単に貧乏でも参加できるスポーツが世界共通のスポーツとして人気を博した途端に、ワールドカップでナショナリズムが高揚する。この一見矛盾した動きを自分は的確に捉えていたのか?

(4)自由主義というのは、ケネディころまでは、表現の自由とか報道の自由など、人権から語られ、リベラルの思想の基軸だったのに、サッチャー、レーガンの時代に経済自由主義、市場主義に完全に乗っ取られてしまった。これはなぜだろう?

 民主主義という仕組みは、多数決と全体主義の論点など、内在的にもろい点がある。また、選挙権とナショナリティなども限界がある。そういうもろさを認識したうえで、これ以上にましな制度はないというチャーチルの言葉をかみしめて、どう民主主義を守っていくかという、政治思想的な訓練が、いつの時代でも常に必要だと痛感する。

 森くんの最近の本も読んでみる。『政治的なものの遍歴と帰結』(青土社)
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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