復興関係 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official
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はじめての福島学はじめての福島学
(2015/03/01)
開沼 博

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 最近でた本。新聞の書評かなにかで見つけた。

 きちんとデータに基づいて、福島県の人口や農業、産業などの状況を説明していることが重要だし、共感を持つ。意外と今の福島の実態って誤解している人が多いから。

(1)福島の人口減少率は、2010年0.63、2011年、2.02、2012年、1.03、2013年、0.76%とほぼ従前の水準に持ち直している。秋田県の方が人口減少率が高いので、東北というか日本全体の人口減少問題、少子高齢化の問題と同じになっている。(p52)

(2)農業では、コメが2010年全国4位が2012年以降、全国7位に、コメの収穫量も、2010年の44万トンから2011年35万トンへ、それが2013年に38万トンへの持ち直しつつあるが、まだまだ2010年水準までは届かない。(p123)

(3)漁業は福島所在の経営体でみると57%の回復だが、福島県内への水揚げでみると、わずか7%の水準。ほとんど小規模漁業は回復していない。(p242)

(4)福島県の材木生産量は2010年の97.7%と、ほぼ回復している。背景には住宅用資材などの木材需要の増加がある。(p261)

(5)製造業では、事業数や従業員数は2011年以前から減少傾向で、それが引き続き減少。付加価値額などは近年増加傾向に転換。工場立地は2012年以降劇的に回復。(p291)

(6)現在の有効求人倍率は福島県は全国一。保安、建設が多いが、高齢化に伴う介護も求人倍率も高い。(p317)

(7)福島県の合計特殊出生率は、ずっと全国より高かったが、2012年に1.41と全国と同じ水準に低下、しかし、2013年には1.53に増加(2013年の全国は1.43)

 復興の遅れているところ、進んでいるところ、経済状態のでこぼこなどきちんと、データで押さえているので説得力あり。

 自分も機会をみつけて、福島の状況のこの目で見てきたい。
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社会のために働く 未来の仕事とリーダーが生まれる現場社会のために働く 未来の仕事とリーダーが生まれる現場
(2015/03/11)
藤沢 烈

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 献本いただきました。

 藤沢さんは、被災地と企業の間にたって、被災地の支援とさらに、被災地でのビジネスの起業を支援している。

 阪神・淡路ではボランティアの活動が始まったが、東日本大震災では、ボランティアに加えて、起業のCSV活動が本格的に行われたという事実認識が重要だと思う。

 この本でも紹介されている、Google、ヤフー、キリン、UBSなどの活動もやはり行政ができない迅速さと使いやすさで具体的な効果を上げていると思う。

 まず、国はこのようなCSV活動を支えるような仕組み、例えば、あらかじめ国とこれらの企業が協定を結んでおいて、発災時には、柔軟に企業が活動できる枠組みを容易する、例えば、個人保護条例の適用除外ができるようにするなどの仕組みがあるといいと思う。

 もう一つは、小泉政務官が対談で述べているように、被災地で企業がビジネスとして成立するかというシビアな視点(p197)がこれから重要になると思う。

 最初の初動期ではもちろん収益もなにも必要のない活動だが、被災地の企業が復興期に入った場合には、東京の企業と共同でちゃんとビジネスを立ち上げる、収益を継続的にだすという視点が重要だし、それがないと長続きしない。この場面では、補助金よりも、政策金融機関による出融資という形で、きちんと収益をチェックしつつ経営までをガバナンスする、支援方法が重要になると思う。

 まさに、今、被災地の企業は補助金だのみから、収益構造をちゃんと確立して自立していく段階になってきていて、その変化の状況を的確にこの本は分析していると思う。

 藤沢さんも頭のいい人だと思うが、小泉さんも鋭いな。
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被災弱者 (岩波新書)被災弱者 (岩波新書)
(2015/02/21)
岡田 広行

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 宮城県の仮設住宅の現状や、みなし仮設への情報提供などの支援、自分の住宅での被災者、在宅被災者の状況など、初めて知る事実も多く、本当に申し訳なく思う。

 特に、災害救助法について、宮城県での硬直的な運用事例をみると、実際に運用者を県に委ねていいのか、疑問に思う。実際の応急対策はたきだしや物資の提供など、市町村に委任していながら、県が柔軟な対応ができないのであれば、間に県を入れる意味がほとんどないように思う。

 やはり、防災部局の地方支分部局をちゃんと位置づけて、そことダイレクトに、一番住民の苦渋を知る立場にあり、それを受け止めなければ、次の選挙に落ちてしまうという責任感のある、市町村長とがやりとりをした方が、適切で真剣な対応ができるのではないか。

 県知事は、いずれにしても県の全域が全部被災するようなことはないから、どうしても、杓子定規な解釈でも困らない、柔軟な運用をして少しでも多くの被災者を助けようというインセンティブが、少なくとも市町村長より働きにくいのではないか。今回の大震災の応急対策の県ごとの違いをみると、本当にちゃんと議論しないといけないと思う。

 第7章の復興事業については、災害危険区域の設定というよりも、その制限の内容について、ピロティ型の住宅を認めるとか、浸水深がそれほどでもないところは、地区防災計画による避難計画の立案をもって住宅建設を認めるとか、もっと市町村単位での柔軟な対応ができなかったのか。やっているところもあるので、硬直的な運用は残念。

 なお、陸前高田のような敷地単位で災害危険区域をかけるという発想は、制度趣旨とまったく反するので、不適切と考える。技術的にみて津波の被害は敷地単位でくるわけではないので、もし隣の敷地でそのまま住宅をたてても安全という判断をしたのであれば、その隣接する敷地を国費で買い上げる合理的な理屈はたたないはず。

 法律の運用指針がきちんと国が出して、法の趣旨に反するものはだめだが、反しない範囲では柔軟に対応するという方向性を明確に国がすべきだったと思う。
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東日本大震災と地域産業復興 IV: 2013.9.11~2014.9.11 「所得、雇用、暮らし」を支える東日本大震災と地域産業復興 IV: 2013.9.11~2014.9.11 「所得、雇用、暮らし」を支える
(2014/12/05)
関 満博

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 役所の図書館で借りてきた。

 東日本大震災の被災地における地域産業復興の詳細な実例が紹介されている。

 おおざっぱな感想。

(1)震災前から、工場の中国進出に伴う閉鎖が続いていた製造業はやはりかなり苦しい。東北トヨタと連携した下請け企業がどれだけ生き残れるかは、トヨタの国内戦略にかかっている感じがする。

(2)商業も苦しい。無料で入っている仮設店舗で終わってしまう可能性もかなり高い。特に、経営主が60歳を境にして、それより年齢がいっていると廃業のおそれが高い。

(3)豊かな海の恵みを前提にした海産加工業とか飲食業は可能性があるし、ここでしかできないというサービスが提供できる気がする。

(4)復興事業や廃炉などに係わる建設業は、やはり一時的なものにしかないと思う。

(5)地場の味噌、醤油や日本酒などは、国内での販売網を確立することによって生き残れそう。

(6)産業系の復興については、グループ化するという条件で、4分の3の補助が国からでているが、これと住宅再建への支援とのバランスがとれているのか気になる。災害公営住宅にあたる施策がないから、補助率が高いという理解なのか?
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孤独死――被災地で考える人間の復興 (岩波現代文庫)孤独死――被災地で考える人間の復興 (岩波現代文庫)
(2013/02/16)
額田 勲

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 額賀先生は、医師として阪神淡路大震災の際に仮設住宅の診療所を設置するとともに、孤独死の問題に取り組んだ。

 仮設住宅の孤独死とは、孤立、失職、慢性疾患が相乗する低所得者層に発生する、という。(p84)

 震災以前から建設労働など収入が安定せず、アルコール依存症などの慢性疾患をもって、孤立して仮設住宅にいる場合に、仮設診療所の手厚い看護師の循環などにもかかわらず発生する。

 そもそも、独居で低所得の高齢者に対する福祉政策、介護政策の問題が震災ということで一気に顕在化するのがわかる。また、仮設住宅の入居によって地域のコミュニティが分断されることによって、一層の孤立化が進んだことも課題として指摘される。

 東日本大震災では、仮設住宅のコミュニティを維持するための設計上の工夫や、グループ入居などの工夫が取られたがどの程度の効果があったのか。

 また、仮設住宅から災害公営という単線的な住宅対策が不十分ではないか、という指摘にどれだけ対応できたのか。

 また、東日本大震災では多く発生した、民間賃貸住宅を活用したみなし仮設について、たとえば借り上げ期間満了時の問題や開始時の手続きの問題など、きちんとした検証ができているのだろうか。

 だれでも、高齢者になり、身寄りのない環境になる可能性があるのだから、そういう孤独な高齢者に対して、社会がきちんと支える仕組みと必要な財政上の支援が必要だと思う。

 人が人として尊厳のある一生をおくるための支援は、ものに対する支援に優先してしかるべきと考える。最も財政状況が厳しくなっても、人の生命や生活を最低限支える支援については、日本の政治と社会がきちんと目配りすべきと考える。

 額賀先生の目でみた一人一人の被災者の孤独死の状況をきちんと心に刻んで復興政策を考えていきたい。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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