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ハルビン駅へ 日露中・交錯するロシア満洲の近代史 [単行本]
ディビッド・ウルフ
講談社
2014-10-07

 ひさしぶりに、かばちゃんの推薦。名著。

 著者は、アメリカ人で、北海道大学のスラブ研究センターの教授。

 ロシア側の文章を中心にして、19世紀後半から、1931年の満州事変までの間の、ハルビンの歴史や生活を定年に分析した本。

 正直言って知らないことばかり。日本の政治学者や歴史学者からは分析されない、ロシア、ソ連時代の東清鉄道の中心地であったハルピンの姿がよくわかる。

 東清鉄道を整備したウィッテを中心とするロシア大蔵省と、クロポトキンを中心とするロシア陸軍を確執など、興味深いが、特に、ロシア大蔵省が中心となって、ロシアの中では少数派のユダヤ人、ポーランド人、ロシア国教以外のキリスト教徒などを、積極的にハルビンに招いたこと。
 これが、19世紀の最後から20世紀当初において、ハルビンの繁栄につながった。これには中国人も同然関与し、また恩恵も受けている。

 イノベーションには、多様性と寛容さが不可欠ということがよくわかる。

 その他、日露戦争直前のロシア政府内、宮廷内での、陸軍と大蔵省の権力争いから、本来、戦争を望まなかったニコライ二世が戦争に巻き込まれていく分析なども(p141)、「坂の上の雲」しか読んでいないと絶対に間違えると思う。

 また、ウラジオストックにロシアがつくった「東洋学院」の卒業生が、中国での日露戦争以後、平和的?経済的なロシアの中国の浸透に貢献したという話(第5章)は、日本の上海東亜同文書院や満鉄調査部にもつながるが、それと同様の取り組みは現在の日本で行われているのだろうか。

 中国語と中国の歴史文化に詳しい人材は経済外交の面でも重要だし、それを推進する、大学なり専門学校的な学院があってもいい気がする。別に文部科学省が指導しなくても、日本の社会や経済のニーズに対応して、学部やセンターを作っていけばいいと思う。
 ちなみに、最初に著者の肩書きをみて、さすがと思ったが、北海道大学がスラブ研究センターをつくって、ロシアの分析をするなんてすばらしいと思う。別に文部科学省の指導があったわけではないと思うが。

 その意味では、沖縄とか九州に中国文化センターとかできてもおかしくないな。もうあるのかな。
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 なんで購入したか失念。新聞の書評だったかもしれない。

 アタリは、フランスの政治思想家で、社会党政権に大きな影響力を持つ、ユダヤ系フランス人。

 ユダヤ人の話となると、すぐナチスの話になるが、実は、ユダヤ教の異端グループであったキリスト教がローマ帝国の国教化されて以降、迫害の連続で、安定的に一つのところで生活や生業ができない。

 一時、むしろイスラム国家の方が住みやすいこともあったが、それも一時的。

 18世紀ぐらいに入ると、一時、ポーランドに大量に移住していくが、それが、ナチスの大量殺人にとつながっていく。

 この本のテーマのユダヤ人と貨幣、金融資本との関係については、当初キリスト教はキリスト教徒に対する利子付きしつけを禁じていたのに対して、ユダヤ人は非ユダヤ人に対して、利子付き貸付を認めていたこと、土地を所有して農業をっするなど、当時の領主からの職業選択の制限が強くて、自然と金貸し業へと転換して、各国政府まで資金を供給する役割を持っていく。

 しかし、これも、結局、徴税事務自体もユダヤ人にやらせることによって、ユダヤ人憎悪の気持ちが住民に高まると結局、その地域を追い払われてします。

 有名なユダヤ系のロスチャイルド家が、ウィーンだけでなく、当時金融資本が勃興していたロンドン、さらにはニューヨークと自分たちの子孫に銀行業を経営させて、生き残りをかけたもの、ユダヤ人にはいつでも政府の都合で没収、追放、絶滅の可能性があるため、「近隣の非ユダヤ人にとってよくないことは、ユダヤ人にとってもよくない」という規律をまもって、本当の意味での生存競争を生き延びてきた。

 命と家族を守るために、新しい金融制度を作ろうとするユダヤ資本と、日本の銀行業の頭取の覚悟を比較したら勝てるわけもない。

 また、意外なことに、歴史的には、ユダヤ人はイスラム国家とか東洋との貿易などについても信用供与で活躍してきた歴史がある。要はユダヤ人同士は固い規律で結ばれているので、取引費用が低く、他の業者よりも低コストで資金供給ができるということ。これは、ユダヤ人にとっての強いとしてこれからも生き続けるかもしれない。

 しかし、近親憎悪という言葉もあるが、そもそもイエスはユダヤ人でユダヤ教の一派がキリスト教になったというのが世界の常識なのに、どうして歴史的にもキリスト教徒はここまで、ユダヤ人を差別し、迫害し、抹殺しようとしたのか、この本の示す大量の事例からみて、ローマ後期から中世、近世とずっとユダヤ人はヨーロッパと北アフリカを放浪してきたことが理解できるが、宗教の寛容性とういのは、どうして、こんなに上っ面だけで、現実には根付かないものなのだろうか。

アマゾンの本のページがはれないので、ライブドアブログ参照。http://blog.livedoor.jp/shoji1217/
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地中海 (2)地中海 (2)
(2004/02)
フェルナン・ブローデル

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 アナール派のブローデルの主著の第Ⅱ巻。

 この巻は経済を扱っている。第一巻が環境という動かない歴史だとすれば、経済はゆっくり動く歴史だろう。

 様々な統計データを使っているが、必ずしも明確に経済の状況はわからない。

 16世紀前半は少なくともイタリアのヴェネチアやジェノバの時代。そこのガレー船をつかった当方との交易、そこにスペインが入ってくる歴史。

 特に、地中海貿易に南アメリカの大量の銀を対価としてスペインが供給したため、16世紀中盤は資金供給量が増えて、物価高になった時代でもある。また、この時期では消費者物価が先にあがり賃金が遅れることで職人や労働者が貧しくなった時代でもある。(p277)

 それから、ゆるやかに、イギリス、おランドの貿易が増えてくる。最初は、海賊として、大砲を積んだ帆船の武力を背景に、支配力をつけてからは、海軍として地中海に力を及ぼしている。1588年のスペインの無敵艦隊の敗北で一気に地中海の勢力が変わったのではなく、少しずつ、オランダ、ロンドン経由で、ジブラルタル海峡をこえて、地中海に入り、イタリアへ物資を運ぶ物流が増えていく。(p460にその物流の量を矢印の太さで表した図がある)

 スペインの農業も1580年から15890年くらいに急旋回して悪化していく。(p392)ブレーデルはなぜ急旋回したかわからないと正直に書いている。

 こういう、地中海貿易に限って、かつ、16世紀に限ってしらみつぶしに歴史を分析するスタンスには、できるだけ客観的に歴史をみようとする姿勢が感じられる。
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中南海――知られざる中国の中枢 (岩波新書)中南海――知られざる中国の中枢 (岩波新書)
(2015/04/22)
稲垣 清

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This book's title is the central area occupied by headquarters of communist party and national government. In China, the government system is composed of communist party and regular government. This double system is existed in every organization, not only local government, but also private companies. For example, the secretary of brunch of communist party is prior to CEO of company. How awful it is.

 中国の党本部の中枢と行政組織の中枢部が存在する中南海という地域の分析が前半。

 あんまりおもしろくない。ただし、行政組織である国務院は比較的外国人にもうかがえる機会があるのに対して、南半分の党本部の部分はほとんど誰も入れないという格差については興味がある。

 後半の人事分析の方が興味深い。

(1)省レベルでみると、党組織の書紀、行政組織の省長とも、31地方のうち北京、天津、上海、重慶の四大直轄市と広東、新疆、チベットは、中央から政治局員クラスが派遣されていること。(p191)

(2)軍事委員会のうち軍出身の10人のうち、陸軍6人、空軍2人、海軍、第二法幣1人ずつと、陸軍重視の人事が行われていること。(p181)

(3)中国の党組織は、1総書記、7政治局常務委員、25政治局員、265中央委員、171中央委員候補、2270党大会全国代表という階層になっている(数字は人数)。中央委員・候補の中には、鉄鋼、石油、家電、自動車、通信の総経理(社長)クラスが入っている。(p150)

(4)中国の企業には、(○○企業)○○共産党委員会という部屋があり、企業のトップの共産党支部書紀であり、総経理(社長)や工場長はナンバー2,3である。(p147)
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すべては1979年から始まった: 21世紀を方向づけた反逆者たちすべては1979年から始まった: 21世紀を方向づけた反逆者たち
(2015/01/21)
クリスチャン・カリル、Christian Caryl 他

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 The original title is 'Strange Rebels' written by Christian Caryl. I read Japanese version today. The writer pointed out 1979 as the turning point of religion and market. Iran revolution is the beginning of expanding political power of Islamism, and Ms.Margaret Thatcher is a leader of new policy; New Liberalism. The writer's viewpoint is precise and appropriate. In 1979, I was a university student, but honestly speaking I did not understand this turning point at all, regardless of learning law, politics and economics.I am ashamed of lacking the knowledge and information sensitivities at that time.


 アメリカのジャーナリスト。東京にも長く滞在。

 著者のあげている事件とは、イラン革命、鄧小平の開放政策、サッチャーの登場、パウロ二世のポーランド訪問を指摘している。

 自分は同時代に大学2年生で、パウロ二世のポーランド訪問以外が記憶にある。

 緻密な分析だが、四つの事件とアフガン問題が、併行して記述しているので、この章はなんのことをかいてあるのか一瞬迷う。

 自分が十分理解してなかった点。

(1)ホメイニ氏がイラン革命を主導した時には、イランの宗教界ではまだ異端で、穏健派を1年ぐらいで追い出してから、今度は世俗派を追い出して宗教政治を始めた。ただし、コーランで経済政策はできないので、首相の要件を大宗教家でなくてもよいように緩和してから、死んだ。

(2)サッチャーも、当初は閣内サッチャーの民営化、小さな政府論に反発する勢力が強く思い切った政策がとれず、サッチャー自身も民営化という言葉を封印していた。フォークランド諸島事件で国民の支持を受け、総選挙で勝利してから大胆な政策をとった。

(3)パウロ二世については、予備知識がほとんどゼロだった。ポーランドの社会主義政権で様々な圧迫を受けた経験をもって、教皇になり、ポーランドへの帰国の際には、当時の共産党政府の嫌がらせにまけずに、宗教の世界の範囲に限定しつつも、真実に向かって生きることを堂々を発言した。これは、後のポーランドの連帯の動きや東欧のカトリック教徒への強いメッセージとなった。

(4)ポーランドが連帯の鎮圧に苦慮していたときには、ソ連はアフガンで泥沼に入っており、最優秀の特殊部隊をアフガンに派遣していたため、プラハの春のように、ポーランドを武力で鎮圧することができなかった。

 著者は、このうち、特にイラン革命を宗教の時代の幕開け、サッチャーを市場の時代の幕開けとしている。

 アフガンの部族問題の部分はよく理解できないぐらい複雑だが、あとは記述も平易。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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