宗教学 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

日本霊性論 (NHK出版新書 442)日本霊性論 (NHK出版新書 442)
(2014/08/09)
内田 樹、釈 徹宗 他

商品詳細を見る


 4年以上前に同じ二人の「現代霊性論」を読んでいる。http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-60.html

 きちんとした宗教への理解とか必要だと思うし、心が苦しい時の支えとなる思想も身につけたいという気持ちはある。

 しかし、世の中には危ない宗教も多いし、最近のテレビでもでてくる霊能者など、いかがわしいものが氾濫していると思う。

 内田さんと釈さんは、そういう意味ではきちんと武道の裏付け、西洋哲学の裏付け(内田さん)や、浄土真宗の裏付け(釈さん)があって、安心して議論を追うことができる。

 今回は、釈さんは鈴木大拙の「日本的霊性」を題材に、霊性を分析している。

 日本の霊性は、鎌倉時代の禅と神道によって展開を始めたこと、大地に根ざしたものであること、仏教は日本人が持つ霊性の発現形態と考えること、など、おもしろい視点がある。

 また、民衆の中で念仏をとなえ自然と深い思考ができてきた「妙好人」の話もおもしろい。

 釈先生も、日本人の霊性観を「一生懸命精進して、一周まわって、元の位置、とかあるがまま」と言っています。(p245)
 こういう、変に効果や結果を求めない、大地に根ざして、ゆっくりとした考え方、脱力した考え方という宗教観を持っている限り、変な道にはいかないな、と思う。

 伝統宗教の勉強とか、鈴木大拙のような古典も読んでみたい。そして、いんちき霊能者をちゃんと見分けたい。

 気になった本。『心の先史時代』(青土社)、「selling spirituality」、鈴木俊隆『禅マインド』(サンガ新書)
pagetop
神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(2010/06/24)
ジョーゼフ キャンベル、ビル モイヤーズ 他

商品詳細を見る


 なんで購入したか失念。積ん読している本のなかで、この本がよんでほしいよ~と言っている感じがしたので読んでみた。

 アメリカ人のキャンベル氏は、比較神話学ということで世界中の神話や宗教の起源的な話を分析して、その共通的な部分を、対談形式でざっくばらんに語っている。

 もとはカトリック教徒だったので、多神教的な話題を中心に語るのは、本当は個人的にも大変だし、キリスト教徒の多いアメリカでは大変なことだったんだと思う。

 僕は、人間がまだ狩猟民だったころ、自然への畏敬、狩猟して殺した動物への畏敬、若者から大人への通過儀礼、そして死への恐怖、さらに、農耕民になってからは、作物の豊作への祈り、そのための天候など自然への祈りなどが、世界の人間に共通なので、そこから、同じような、自然と一体化したような意識、動物を葬る、そしてそれを食べることへの違和感を緩和する物語などが生まれたのだと思う。

 そうだとすれば、日本人のように巨木や巨石にも神を感じるような、自然に恐れを感じる意識も十分理解できると思う。

 日本の古事記は著者は触れていないが、朝鮮半島からきた移民と農耕民族が中心となって、従来の狩猟民族を駆逐していく話なので、いくさの話や穀物が生まれる話など、農耕民的な神話が多い気がする。

 でも、断定的にはいえないが、世界中の神話に共通の要素があって、同じような話があちこちで生まれているという事実は、それを共通認識にしたときに、人間の深層心理の共通性とか親和性のようなことにつながっていかないだろうか。

 先日、国家の発展は戦争ばっかりしている、そして兵器が発達した国が覇権をとるという感想をもったので、逆に、人間の深層には、狩猟民、農耕民としての共通の心理があるというような話に救いを求めたい気持ちになった。

 この本は、そんな幻想かもしれないが、期待を持たせてくれる本です。ちなみに、一神教を強く信じている人にはちょっと抵抗があるかもしれません。
pagetop
悲しむ力 2000人の死を見た僧侶が伝える30の言葉悲しむ力 2000人の死を見た僧侶が伝える30の言葉
(2011/07/20)
中下大樹

商品詳細を見る


 子ども時代に親戚をまわって育てられて苦労した著者が大人になって浄土真宗のお坊さんになって、ホスピスで勤務。

 東日本大震災では被災地を回っていて、自分がうつ病になって、リタイア。

 正直な人だと思う。あまり、平日は宗教本は推薦しないのだが、これはなかなかいい本だったので早めに推薦します。

(1)ご家族やご親戚と絶縁状態にあり、看取ってくれる人が病院のスタッフ以外にいなくても、おだやかな最期を迎えた患者さんはいます。そうした患者さんに共通していたのは、現実を見つめ、自分のなかにある悲しみを静かに、しかし正面から受け止めている、ということでした。(位置No. 213-215)

自分は子どもがいないので、最後は一人ぼっちかもしれないという心配はある。そこは覚悟しないといけない。

(2)(自殺した方の親族に対して)「成仏できたのか?」という質問に対する答えですが、お釈迦さまはどの死に方がよくてどの死に方が悪い、ということは一切話しておられません。どのような亡くなり方であっても、いのちは等しく平等です。(位置No. 1016-1019)

(3)私はやはり葬儀は必要だと思います。葬儀とは、故人に「さようなら」を伝え、あの世での成仏を願い、死について正面から考える大切な「悲しみの儀式」です。残された人々は葬儀を通して、徐々に死を受け入れていきます。こうした儀式をないがしろにすることは、故人への思いや悲しみの感情を軽視することにもつながります。(位置No. 1106-1109)

 葬儀は、人類が長い間に培った、死んだ人への別れの儀式なので、やはり軽んじてはいけないと思う。しかし、それを金儲けの道具にしている輩もいるので、葬式がやりたくなくなってしまうのだと思う。簡単でもいいから死んだ人に思いをはせる儀式は必要だと思う。
pagetop
一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)
(2014/02/14)
内田 樹、中田 考 他

商品詳細を見る


 内田樹さんの新刊。

 著者は、東大文学部時代にイスラム教徒になり、その後、同志社の新学部の教授をやって今、フリーらしい。

 日本人で、自分で頭で考えて、イスラム教徒になって、かつ、宗教学者まで勤めた人を初めて知った。

 内田さんの誘導で結構おもしろい対談になっている。

(1)中田さんは、文学部生時代に、クリスチャンになろうかムスリムになろうか悩んで、クリスチャンの方が厳しそうなので、慈悲深いムスリムになった。(p36)

 ムスリムが慈悲深いいんですね。なった人からいわれるとそうかなと思う。確かに、コーランには死後の楽しそうな歓楽的な世界が描かれていますね。

(2)戦前、戦中に日本の軍部がイスラムに関心を持ったのは、中国に対する対抗としてイスラムを利用しようとしたから。(p97)

 イスラム文学の大家の井筒先生も確か満鉄の調査部にいたはず。

(3)近代的な領域国家は、イスラムには意味がない。みんな同じアラビア語で祈り、おなじ普遍宗教を信じている。むしろ、今の政権にある人々が西欧の占領時代に惹かれた国境をまもって、政治的に権力を維持しようとしている。(p125)

 イスラム社会がまとまって、一つの経済社会になったら、西欧やアメリカにとっても驚異だろうな。でも、実際には、寸ニー派とシーア派、さらにアルカイダのような過激派もいるので、今の国境を前提とした主権国家が当分続きそうな気が自分はする。

 しかし、本物のイスラム教徒が日本人として提供してくれる情報は、貴重だな、と思い、発売早々に紹介する次第です。
pagetop
ゆかいな仏教 (サンガ新書)ゆかいな仏教 (サンガ新書)
(2013/10/28)
橋爪大三郎、大澤真幸 他

商品詳細を見る


 橋爪さんと大澤さんの仏教をめぐる対談。

 「ふしぎなキリスト教」を読んで面白かった記憶があるので、購入。

 日曜日は、しがらみを忘れてしばし宗教の哲学を堪能。

 仏教は、キリスト教やイスラム教ほど、政治と近くない。むしろ、今の日本では政治とは離れた世界にある。

 様々な近代システムはキリスト教の影響をもろに受けている。それを輸入した日本人も違和感がありながらも、それを受けれないと国家が維持できないから、受け入れてきた。しかし、そのまえ、500年代には仏教が渡来して、仏教が日本人に染みついている。

 その染みついている仏教って何か、それから今学ぶものがないか、というのがこの本の発想。

 橋爪さんがまとめた仏教の特徴。

(1)個人主義的。自分で覚ることが大事。
(2)自由主義的。そもそもドグマがない。
(3)合理的。因果論を重視。
(4)理想主義的。努力をすればいい方向に向かう。(p370)

 こういう発想と、キリスト教のがちがちした、三位一体のようなアクロバティックな解釈、イスラム教の神が全能という強圧的な協議、どちらが、自堕落な日本人にあっているのか。

 自堕落で煩悩に悩みつつも、いい方向に修行する、覚りを目指すという考え方は、なにか柔軟なところがあるような気がする。

 そのほか、難しい仏教の教えを優しく問答している。

 手にとって、仏教の奥深さを知ろう。
pagetop
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。