2010年05月 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official
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 夏樹さんは小説家。

 小説家が、ロシア皇太子襲撃の大津事件をはじめとする12件の判決、主に刑事事件をとりあげている。

 そういえば、法学部でも、信玄公かさ掛け松事件とか民事では戦前の判決も勉強した記憶があるが、刑事事件は、全くない。

 最後に第16代最高裁長官の島田さんも知らなかったといっているから、そんなものかもしれないが、単なる歴史上の事件としてだけでなく、判決文を分析して法律論として分析することも重要な気がする。

 いずれにしても、法学部生の入門書になる。

①大津事件は、司法権の独立をまもり、皇太子への傷害に対して大審院が天皇皇族に対する不敬罪を適用しなかった例として有名。これと同様に戦時中の翼賛選挙に対して、大審院が無効判決をした1945年3月の判決。

 これは全く知らなかったが、気骨のある裁判官がいたということ。その後、定年をまたずに退職したようだが、筋を通すことと出世は両立しないということだね。

②チャタレイ夫人判決は、ほぼ同時期英米で裁判になり、英米ではわいせつ図書とは判断されなかった。(p142)

 法律の本をよむと、判決文を分析して、わいせつの要件は、これこれとこれこれなどと分析しえいるが、世界中で同時期にどう判断したのかというのも重要な視点。そんな指摘を法律の本でみたことがない。

 なお、チャタレイ夫人の本は、伊藤整の息子さんが1996年に削除なしでそのまま発行されている。時代とともに、わいせつの意識もかわるけど、なんとなく不可解な感じもする。

③島田元長官が、孝徳秋水らを死刑にした大逆事件について、「自分がその立場にたったときにできたかどうかは言い切ることができない」(p277)といっている。

 正直な人だ。いろいろ批判することは簡単だが、自分がその時点で筋を通せるか、自分ならできるかという問いかけが常に必要だと思う。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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