2014年09月 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)
(2014/09/19)
岩瀬 昇

商品詳細を見る


 HONZの成毛さんの推薦。

 著者は、三井物産で長く石油関係の仕事をしていた。その実体験から、具体的な事例で石油事情を説明。

 ちょっと、タイトルが狭いが、広く、石油などのエネルギー事情を論じている。

 自分が、なるほどと思った点。

(1)LPGは、生産設備、それを運ぶ特殊なタンカーなど、採算性を確保するのに、1兆円規模のプロジェクトとなる。そのため、ファイナンス再度からは、長期の売値、販売先を確保してからプロジェクトを立ち上げる、長期収支安定型でないと、事業が成立しない。この方式で日本はLPG開発にコミットしてきたので、基本的には、長期契約での価格を、原発事故で急に輸入量が増えても、価格を下げることができない。(p24)

(2)シェールガスの掘削技術は、鉱業権が国家ではなく、土地所有権にあるという特徴をもつアメリカで、かつ、1970年代の政府支援がなくなってからも、目張り強く開発を続けていた、ジョージ・ミッチェルとその技術陣が、資金ぐりに苦しみながら、開発した手法によって、採算性がとれるまで技術革新が進んだ。この点での技術力は未だにアメリカがリードをしている。(p67)

(3)ホルムズ海峡は、幅55キロ、浦賀水道は10キロ、海流も速く、機雷の設置も難しい、イランとオマーンが中間線で領有を主張しており、今でも日本の全タンカーはオマーン領海を通過している、イランがオマーン領海に機雷を設置することになれば、戦争行為になり、簡単にできることではない。(p178)

 もちろん、リスクがあるし、危機をあおって石油価格市場を混乱に陥れる可能性はあるので、エネルギー安全保障の考え方は重要。ただし、著者は、集団的自衛権の説明でホルムズ海峡の封鎖の事例をあげるのは、「国民を誤解させ、いたずらに不安に陥らせるだけではないか」と指摘している。

 後半の政策論は、やや冗長だが、具体の石油市場や石油開発の情報、シェールガス開発の裏事情など、ミクロの情報に価値あり。
pagetop
カレンダー
08 | 2014/09 | 10
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。