原武史『直訴と王権』を読んで、李氏朝鮮王朝では、18世紀に直訴が公認、頻繁に行われていたことを知る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2013/11/10

原武史『直訴と王権』を読んで、李氏朝鮮王朝では、18世紀に直訴が公認、頻繁に行われていたことを知る。

直訴と王権 朝鮮・日本の「一君万民」思想史直訴と王権 朝鮮・日本の「一君万民」思想史
(2013/03/15)
原武史

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 天皇陛下に手紙で直訴した国会議員がいたけど、『日本の起源』を読んでいたときに、『直訴と王権』という本を紹介していたので、アマゾンで購入。

 18世紀の李氏朝鮮の英祖、正祖の時代は、王が旅行にでたときに、文書を受け取ったり、銅鑼をたたいて口頭で
訴えるといった行為が通常のように行われていた。(p52,p68)

 儒教の教えを前提にした、民衆の状況を知るという発想と、朝鮮に堅固だった官僚組織をすっとばして民衆と接することにより、王権を強めるという要素があったらしい。

 これに対して、戦国時代を勝ち残った徳川家の江戸時代には、将軍に対する直訴は、5回歴史上確認されているが、木内惣五郎をはじめとして、願いは入れられたものの、磔、獄死と厳罰に処せられている。

 そもそも、戦国時代を武力で政権が勝ち取った江戸幕府の将軍に、自分の権威づけのために民衆と接するという必要性は全くなかったことから、この違いは今からみると当然といえる。

 直訴が抱える問題は、歴史的にみると、その政権が民衆の支持を受け続ける必要があるか、というそもそも論によって、大きく主権者の意識にへだたりがあることがわかる。

 さらに、現代から振り返ってみると、主権者に直接無礼を承知で訴える以前に、通常の法律制度によって、意見を実現するという、法治国家の仕組みが整備されているかどうか、もし整備されているのであれば、それを使わないことは法治国家の正統性を脅かすという危険性を考える必要がある。

 具体的に日本の国会議員に即していえば、国会議員は、日本の憲法を尊重し、法律を遵守して、自分の主張と意見を同じくする人と政党を組織し、国権の最高機関において、意見を反映させる立場をもっており、もっといえば、法治国家のそういうシステムを遵守することが自分の存在根拠である。そういう努力も手続きもせずに、直訴に走ることは、憲法と法律に基づく統治機構に対して弓をひいていることになるのではないか。

 天皇陛下に失礼という論点以外にそんなことを考えてみた。

 

 
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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