広めにかけた土地区画整理事業を縮小する方法について(第二稿) - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2013/12/12

広めにかけた土地区画整理事業を縮小する方法について(第二稿)

      広めに都市計画決定した土地区画整理事業を縮小する事業方法について

1 法制度の制約
(1) 照応の原則―現地換地が原則。これを破ると不満がある地権者がいる場合には、訴訟で施行者が敗訴するリスクがある。
(2) 照応の原則の例外である「津波復興住宅等建設区」を定めた場合には、都市計画決定をした施行地区全体から申し出を受ける必要がある。=工区分けして段階的に施行できない。
(3) 施行地区を工区分けして段階的に施行した場合、換地は工区内で行わなければならない。工区を越えて換地した場合、宙ぶらりんの権利が発生するため。もしくは工区を越えて全体で換地計画を決定しなければならない。

2 計画技術によって法制約に対して実態的に対応する場合
(1) 土地区画整理事業の都市計画決定をした区域に、現地再建希望者と現地再建非希望者が散在している。
(2) 小学校区単位などで、比較的地域のまとまりがあり、校区単位での意見のとりまとめができる。
(3) 小学校区単位ぐらいで、工区分けをするとともに、工区の中で実際に現地再建希望者に対応する敷地分の宅地を盛り土し、それに関連する交通基盤を整備する。
(4) クラスター的に盛り土工事をする部分をネットワークする形とし、規模を縮小して工事を実施する。
(5) 法制的な課題については、小規模な小学校区単位での飛び換地であるということと、小学校区ごとに合意形成が十分できることをもって、法制度の厳密な制約については、事実上、問題が発生しないと想定する(注1)。

3 中心部などに集約するために、大きく土地を飛ばす必要がある場合
(1) 土地区画整理事業の都市計画決定をした区域に、現地再建希望者と現地再建非希望者が散在している。
(2) 土地利用計画上、現地再建の希望者を特定の場所、例えば地区の中心部に集めて、そこから工事を始める。
(3) 現地再建のない地権者の土地については、当面、工事を実施しない。

4 3の場合を進めるための事業の進め方の制度的なアイディア
(1) 案1 地区全体を施行地区として、「津波復興住宅等建設区」を中心部に設定して、地区全体から申し出換地を受ける。

(課題)
1 この場合には、地区全体の仮換地指定を同時に行わなければならない。その際に、うまく、地区内の建設地区を希望する者と、現地で土地は保有したいが現地再建はあきらめた人、転出したい人との間を調整して、膨大な規模の地区で仮換地設計ができるかが疑問。
2 この場合には、地区転出者の土地を買収する手法が存在しない。なお、減価補償地区であれば、減歩緩和のために買収することも可能。
3 法律上は、住宅だけでなく公益的施設が「津波復興住宅等建設区」 の対象となっているが、例えば、業務施設や商業施設の用地は「津波復興住宅等建設区」の対象とはならない。

(3) 案2 先に先行する地区に工区設定をするとともに、その地区に移転したい人は、土地区画整理事業ではなくて、防災集団移転促進事業で、移転する。

(長所)
1 移転する元の土地を買収する予算も復興交付金で国費がでること、また、移転先の土地に事前に市町村が買収する場合について復興交付金で国費がでること。
2 防災集団移転促進事業で移転する場合、2000万円控除があるとともに、震災復興特例で、登録免許税、不動産取得税が免税になっているので、土地区画整理事業に比べ税制上不利にはならない(注2)。

(課題)
1 移転元の土地について、災害危険区域をかける必要がある。災害危険区域の技術的生活からあまり恣意的にかけることは困難。移転しない地権者の了解がとれるよう、災害危険区域の制限内容を柔軟に対応する必要がある(注3)。
2 工業用地、商業用地については、防災集団移転促進事業での移転の対象にならないこと。

(4) 案3 中心部に災害復興公営住宅(戸建て、長屋だて想定)を計画して、用地買収を行う。基本的には災害復興公営住宅とその周辺を工区設定して土地区画整理事業を実施する。

(長所)
1 このうち、現地自立再建を希望する人は、その希望に添った住宅の設計を市町村に依頼し、5年経過後に災害公営住宅を払い下げてもらう。
2 中心部での、自立再建を希望しない地権者は、土地を公営住宅の補助で買い取ってもらう。

(課題)
1 中心部以外で土地を持っている人の土地購入費を支援する制度がない。(この仕組みと、防災集団移転促進事業と連携することによってその部分は解消できる。)
2 公営住宅を間に入れるので、店舗付き住宅や商業施設、業務施設には対応が難しい。
3 公営住宅の払い下げのときに、うまく、居住者に払い下げられるかについては工夫がいる。

(5) 案4 一団地の津波防災拠点市街地形成施設の都市計画決定を行い、地区内のうちの現地立て替えの意向のない土地を市町村が買収する(津波復興拠点整備事業で全額国費もち)。基本的には、一団地の津波防災拠点市街地形成施設及びその周辺と連絡道路を第一期の工区として土地区画整理事業を実施する。

(長所)
1 中心部に土地を持っていて、転出希望のある地権者の土地を、商業施設や業務施設の用地として、市町村が復興交付金で取得することができる。

(課題)
1 津波復興拠点整備事業は原則1町村2カ所までとされているので、これを、土地区画事業を縮小するという観点から、3地区目の津波復興拠点整備事業を復興庁、国土交通省を説得できるか?結局、周辺工区は復興交付金では手をつけないとすれば総体として安上がりというのが財務省に対する説得材料。
2 中心部以外で移転元の土地を持っている人の土地購入費を支援する制度はない。(商業施設、業務施設の用地については、防災集団移転促進事業でも買収することが困難。)

5 土地区画整理事業を縮小して実施するアイディアについての暫定的とりまとめ

(1) 現地再建を希望する地権者と現地再建の希望がない地権者が土地区画整理事業の地区内で散在状態にある場合について、まず、地権者の意見調整がしやすい、例えば小学校区単位で考えて、工区を分けて、小規模な盛り土地区をクラスター的に整備するという、法制度を気にしないで、実態として実現する計画論がありえる。

(2) 法制度の制約要因を前提にした場合、東日本大震災復興特別区域法に基づく「復興津波住宅等建設区」の制度を使って、集約換地する手法は、工区分けもできず、規模を縮小して事業を実施するのに最も大きな制約のある手法となる。

(3) 法制上の照応の原則を外す方法としては、防災集団移転促進事業によって、中心部など先行して工事を実施する地区に、地区外から現地再建意向のある人を移転させる方法が最も有力である。この制度は住宅地については、税制上の土地区画整理事業と同等の支援措置があり、問題が少ない。ただし、商業施設用地や業務施設用地の移転については、移転元の土地を買収する制度は復興交付金では存在しない。移転先の土地については、津波復興拠点整備事業で用地取得を市町村がすることができる。

(補注)
1)事実上問題が発生しないという意味は、照応の原則は、実態として地権者が了解すれば事実上若干の飛び換地も現実に行われているように、訴訟などのもめごとにならなければ実態上許容されるということを意味している。さらに、本稿では、小学校区単位で小規模に工区を設定して地権者の同意を得る、クラスター的な計画を想定していが、そもそも地区内での地権者の同意がきめ細かくとれる範囲では、もっと異なった地区単位で工区を設定するなど、計画技術論的には、もっと様々なバリエーションがありえると考える。計画論として、検討が進むことを期待する。
2)国税については、居住用財産の買い換え特例の100%買い換えが平時でも存在しており、東日本大震災特例で、事業用資産についても買い換え特例が100%できくことになっている。また、登録免許税も免税となっている。(参考http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/ss230428s.pdf)。地方税も不動産取得税は東日本震災特例で非課税となっている。(参考http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2011/explanation/PDF/p845_875.pdf)。よって、土地区画整理事業の制度の外で、土地の買い換え等を行っても、税制上は土地区画整理事業で行うのと同等の特例が講じられており、地権者に損失は生じない。
3)災害危険区域は、建築基準法第39条に基づき「地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。」と規定されている。一方で、防災集団移転促進事業によって、移転促進区域に対しては、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律第1条により災害危険区域に定められた区域の中から移転促進区域を定めることとなっている。実態として、曼荼羅上に移転して中心部に現地再建したい地権者と再建の意向がない地権者が存在している場合には、災害危険区域の制限内容について、一定の条件を満たした場合には商業、業務以外にも一定の住宅の建築を認めるなど、弾力的な制限にして、再建意向のない地権者の了解をえることが重要である。
4)防災集団移転促進事業と公営住宅の組み合わせは、そもそも防災集団移転促進事業で移転先の住宅団地の用地費がでるので、単純に、移転先の住宅団地の一部に災害公営住宅が立つケースと実態は同じである。
                                            以上
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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