佐藤卓己『言論統制』を読んで、戦前雑誌社は主体的に記事を戦争賛美にかえ、儲けていた。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/01/04

佐藤卓己『言論統制』を読んで、戦前雑誌社は主体的に記事を戦争賛美にかえ、儲けていた。

言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)
(2004/08)
佐藤 卓己

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 池田信夫氏の推せ。

 内閣情報部の情報館だった鈴木庫三氏は、陸軍少佐で雑誌の検閲担当。自分はこれまで知らなかったが、雑誌の検閲で強圧的な態度をとった悪玉として、戦後小説のねたにされたり、随分批判されたらしい。

 著者は、この鈴木情報官の遺族を見つけ出して、詳細な日記を入手、また、鈴木氏が発表した論文などをもとにこの通説のうそを明らかにする。

 要は、1940年ごろには、紙の供給が統制されていて、検閲に通らないと雑誌が発行できない。そのため、陸軍、海軍の情報部の将校などを中央公論とか実業之日本社などは接待して、うまく紙を回して大もうけした。

 鈴木氏は、もともと下士官あがりで仕事をしながら陸軍士官学校に入った、エリートではない将校、まじめ一本槍で、陸軍大学校に年齢の関係で入れなかったので、仕事の後に日大予科にかよって、東京帝大に派遣してもらうなど、本当に努力の人。

 宴会とかまったく毛嫌いしていて、宴会攻勢が役立たなかった。

 もちろん、国家総動員体制をひくために、日本の戦争を揶揄するような記事を認めなかった、また、女性雑誌の軟弱な記事も認めなかった。その意味で陸軍側の情報統制の責任は負わなければならない。

 しかし、中央公論とか実業之日本社とか、戦後になると被害者のような顔をして、陸軍の鈴木氏を攻撃しているが、実は、戦争協力を自主的にやっていたという意味では、同罪。

 報道の自由とか表現の自由というのは、情報統制によってめじまげられたのではなく、情報統制と金儲けをもくろむ出版社の共同作業でねじ曲げられていった。そこに様々な有名な作家も協力していた。

 この歴史の事実を知るべき。個人的には敗戦後、ころっと態度をかえて、民主主義、自由主義的な言論を出版した、出版社や多くの学者の態度に、より強く姑息なもの、いやらしいものを感じる。

 新聞も軍部より過激な報道を統制される前からしていたのは半藤さんの本http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-1545.htmlで知っていたが、雑誌社も同じ。

 日本のマスコミ、出版社など報道の自由、表現の自由を担う主体が、腰抜けだった時代を知ろう。そして、今でも腰抜けではないか、見守ろうではないか。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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