災害発生時における初動期の復興制度の取組のポイント - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/01/17

災害発生時における初動期の復興制度の取組のポイント

災害発生時における初動期の復興制度の取組みのポイント

1 この論考の目的
 災害は発生した時点における、応急対策は、災害対策基本法及び災害救助法に規定されている内容を熟知した、防災担当、消防担当の職員が多いと考えるが、復興対策についても、できるだけ速やかに制度活用の準備を進める必要がある。しかし、復興対策を担う市町村、都道府県の都市計画、建築関係の職員に十分に復興制度の初動期の取り組みが理解されていないのではないか、と危惧することから、その概要について、おおまかに整理する。

2 災害の規模による区分と初動期の復興対策
(1) 小規模な災害を含めた全災害に適用があるもの

ア 最初の復興対策としては、特定行政庁(建築主事がいる市町村、いない場合は都道府県)が建築基準法第84条に基づいて、都市計画、土地区画整理事業の実施の可能性ある地域について、特段の住民手続きはいらないので、建築物の建築を制限又は禁止する。この制限又は禁止は2ヶ月が限度である。

イ 次に、被災市街地復興特別措置法の被災市街地復興推進地域における都市計画決定手続きを準備して、土地区画整理事業、市街地再開発事業や住宅局所管の任意事業などなんらかの事業の実施可能性のある地域を対象に制限をかける。対象地域は都市計画区域内であれば、市街化調整区域であっても未線引き用途の白地地域でもかけることができる。この都市計画決定の結果として、建築物の建築や土木工事については市町村の許可が必要となる。
ここで注意してほしいのは、阪神淡路大震災や東日本大震災においては、土地区画整理事業の実施区域に限って被災市街地復興推進地域の決定をしているが、必ずしも法定事業を実施する区域にかぎらず、住宅局所管の任意事業やそれすら実施しない区域であっても、その対象とすることができることである。この被災市街地復興推進地域の制限は2年間だが、2年間の間に、土地区画整理事業、市街地再開発事業、任意事業などの具体的な区域を住民の意向も聞きながら事業を選択することを目的としている。被災市街地復興特別措置法第7条第3項第2号で、地区計画を策定した場合には、被災市街地復興推進地域の制限が解除される仕組みになっているのは、任意事業でも、さらに極端にいえば特段の面的事業と称するものが実施されなくてもいいことを意味している。なお、この点について元神戸市担当者が書いた本で誤解があるので指摘しておく(http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-782.html参照)。

ロ 被災市街地復興推進地域の中では、土地区画整理事業について、復興共同住宅区という換地の特例が認められているほか、土地区画整理事業の清算金に代えて、地区内又は地区外に土地区画整理事業の施行者(通常は市町村が多いと考える)が住宅を建設し被災者に供給することができる。この規定は、まだ使われたことがないが、土地区画整理事業と一体的に戸建て、共同住宅が建設できる仕組みなので、土地区画整理事業関係の技術者の検討を期待したい。

ハ また、被災地の市町村の区域内では、独立行政法人都市再生機構が市町村の業務を受託して、土地区画整理事業とか災害公営住宅の建設ができる規定が措置されているので、都市再生機構との連絡を早期にとることが望ましい。

(2) 国の災害対策本部が設置される規模の災害(おおむね死亡者100人程度以上。以下「大災害」という。)

ア 大災害の場合には、大規模災害からの復興に関する法律第42条に基づき、上記(1)イの被災市街地復興推進地域の都市計画決定について、市町村が事務手続きを実施できない場合には、都道府県、又は国土交通省が代行できるようになっている。この場合には、都道府県が都市計画決定する場合には、審議会手続きは都道府県都市計画審議会で、国土交通大臣が都市計画決定する場合には、社会資本整備審議会を実施することになる。
 このため、都市計画手続きが実施する体制を準備できない市町村の職員は早期に都道府県の都市計画部局、都道府県の都市計画部局も機能していない場合には、国土交通省地方整備局に相談することが望ましい。)

イ なお、道路、河川、下水道など公共施設の復旧工事についても、大災害発生時には都道府県又は国が代行して実施することができる(大規模災害からの復興に関する法律第43条から第52条)。

(3) 国の緊急対策本部が設置される規模の災害(おおむね死亡者1000人以上。以下「巨大災害」という。)

ア 巨大災害が発生した場合には、大規模災害からの復興に関する法律がフルパワーで活用できる。まず、早期に政府が復興推進本部を立ち上げて、人口の見通し、土地利用方針などからなる復興基本方針を策定するので、それに従って、市町村は復興計画の策定をすることが求められる。具体的には、人口減少社会、高齢化社会を踏まえて、過大な計画を策定しない判断が求められる。

イ この復興計画に基づいて、様々な許認可のワンストップ化や土地改良事業と土地区画整理事業の一体化した復興一体事業も実施可能となる。

ハ 特に重要なのは、巨大地震が発生した場合の被災地においては、一団地の復興拠点市街地形成施設に関する都市計画が使えるようになること。これは東日本大震災においては、予算制度上、「津波復興拠点整備事業」と呼ばれているもので、先導的な復興を行うために、都市施設として市街地の核となる地区を指定して買収型で単純かつ迅速に事業を進めることができる。対象地域は、都市計画区域内外と問わない。この都市計画の財政措置については、他の制度の財政措置とも併せて、大規模災害からの復興に関する法律第57条で必要な措置を講じることになっている。被災市町村においては、この財政上の措置をきちんと把握した上で、早期に、一団地の復興拠点市街地形成施設の都市計画決定を積極的に活用することが望まれる。

ニ また、東日本大震災の被災地で問題となった都市計画技術者の人材不足についても、巨大災害については、同様に人材不足が想定される。このため、大規模災害からの復興に関する法律第53条で国土交通省など関係行政機関に対して、職員の派遣の要請を、内閣総理大臣に対しては第54条で職員の派遣の斡旋を求めることができることになっている。市町村の復興担当職員は、人材不足、マンパワー不足に対して、早期に関係行政機関や内閣府防災担当に対して連絡をとることが必要である。

3 阪神淡路大震災から19年目の今日、被災市街地復興特別措置法及び大規模災害からの復興に関する法律という、復興に関する二大法律の双方に係わった個人的経緯から、各地方公共団体の復興担当になる可能性のある職員、都市計画に関係する学者の方々、コンサルタントの方々に対して、わかりやすく情報提供をするものである。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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