大前研一『悪魔のサイクル』を読んで、日本人論に加え、当時に日立と東電の関係がわかる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/01/24

大前研一『悪魔のサイクル』を読んで、日本人論に加え、当時に日立と東電の関係がわかる。

悪魔のサイクル(2013年新装版) 日本人のよりかかり的思考 (大前研一BOOKS(NextPublishing))悪魔のサイクル(2013年新装版) 日本人のよりかかり的思考 (大前研一BOOKS(NextPublishing))
(2013/12/13)
大前 研一

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 大前研一氏の処女作。

 日立の原子力部門からマッキンゼーに移ったときに、日立の純日本的な体質に対して、厳しく批判している。

 日本の会社社会批判はこんな感じ。

 「酒」を飲みかわす行為の中に「同じカマのメシを食った仲間」と同じ心理的気分が潜んでいるに相違ない。共属心理を根拠にした日本人の「よりかかり」とけっして無縁ではないのである。(位置No. 426-427)

 これは、日本人の組織に属する人たちの閉じた仲間意識を記述していると考えると、まあ、よくある指摘だと思う。

 それより、大前氏が日立の原子力部門にいて原子力工学の専門家として働いていたときの、日本の原子炉に対するコメントが面白い。最初からいろんな不満が原子力工学の専門家にあることがわかる。

 「なぜそうなるのかというと、東電は日立・東芝が独力で開発した製品をハナから問題にしていないからだ。東電がGE社の技術を高く買っていることは、周知の事実である。もともと東電とGE社のつきあいは、ずいぶんと古い。東電の欲している点をひと言でいうと、日立や東芝の「工場」で、GE社の「技術」を製品にかえることである。つまり両社は、単なる製造工場にすぎないということであった。」( 位置No. 2290-2294)

 確かに、福島第一の一号機はGEのターンキー方式だった。日立原子力技術者の不満がよく現れている。

 こういう、東電と原子炉を設計し工事を監督する日立がしっくりいっていなかったという事実は、貴重な時代の証言だと思う。

 こんな発言もある。

 「いかなる炉が採用されるにしても、炉自体の本体の複雑な体系性を無視してしまうので、でき上った日本製高速炉はツギハギだらけのものとなる、ということはすでに見たとおりである。」(位置No. 2557-2559)

 日本の原子力工学は、福島事故以前は少なくとも世界一と言われていたように思うが、内実はお寒い限りだったんだなと思う。意外なところで日本の原子力工学の実態がかいまみれた。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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