ダロン・アセモグルほか『国家はなぜ衰亡するのか 下』を読んで、政治制度の多元的包摂性のない中国は持続的に成長できないという。日本はどうか? - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/01/29

ダロン・アセモグルほか『国家はなぜ衰亡するのか 下』を読んで、政治制度の多元的包摂性のない中国は持続的に成長できないという。日本はどうか?

国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源
(2013/06/21)
ダロン アセモグル、ジェイムズ A ロビンソン 他

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 下巻を昨日の上巻に引き続いて読了。

 予想どおり、中国の今後の持続的な発展の可能性について、著者は、政治制度の多元性、包摂性、法の支配がないことを理由に無理だという。

(1)私たちの理論は、中国に見られるような収奪的政治制度下の成長は持続的成長をもたらさず、いずれ活力を失うことも示唆している。(位置No. 3539-3540)

(2)近年、中国ではイノヴェーションとテクノロジーに重点が置かれているものの、成長の基盤は創造的破壊ではなく、既存のテクノロジーの利用と急速な投資だ。一つ重要なのは、中国では所有権が全面的に保証されてはいない点だ。(位置No. 3598-3600)

(3)第一に、中国の独裁的かつ収奪的な政治制度下での成長はまだしばらく続きそうではあるが、真に包括的な経済制度と創造的破壊に支えられた持続的成長には転換しないだろう。第二に、近代化論の主張とは逆に、独裁体制下の成長が民主主義や包括的政治制度につながることをあてにすべきではない。中国、ロシアをはじめ、いくつかの独裁政権がこんにち経験しているある程度の成長は、政治制度をより包括的な方向へ変革するまえに、収奪的成長の限界に達するだろう。(位置No. 3716-3720)

中国の持続的発展がないという見解には日本の右翼的な考えの人は喜ぶかもしれないが、自分はむしろ、日本も同じ指摘をされる部分があるのではないか、と思う。

 もちろん、中国と違って、法律の根拠なしに、突然逮捕されたり、財産が奪われることは日本ではない。

 しかし、社会的な多元性、包摂性という点ではどうだろう。財界とか重厚長大産業のトップがしめていて、新しいイノベーションが生まれるとは思えない。また、政治制度をみても、若手のジョッブスやビルゲイツのような人物が日本にいたとして、アメリカのようにスムーズに起業できるだろうか。このような新しい動きは政治の既得権を破壊することが多いが、それに対して寛容な対応を示せるような、政治構造になっているだろうか。

 まず、選挙制度の一人一票をきちんと確立して、都市におけるイノベーションの動きをきちんと政策に反映できる、足をひっぱらない政治制度にする必要があるし、若者の起業や新しいアイディアにもっと寛容な制度にする必要があると思う。

 また、役所が成長戦略と称して民間活動の競争や企業の誕生と衰退に口をださないことも重要。役人は産業の将来性を見極められるほど賢くはないことをきちんと認識して、自重する必要がある。

 日本だって、まだまだ持続的成長のためには改革しなければいけない部分があると感じる。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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