ローガン『アラブ500年史 上下』を読んで、複雑な問題の背景に欧州の植民地境界があるが、それに王政、独裁制がからんで、まだ将来はわからない。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/03/05

ローガン『アラブ500年史 上下』を読んで、複雑な問題の背景に欧州の植民地境界があるが、それに王政、独裁制がからんで、まだ将来はわからない。

アラブ500年史(上): オスマン帝国支配から「アラブ革命」までアラブ500年史(上): オスマン帝国支配から「アラブ革命」まで
(2013/10/24)
ユージン ローガン

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アラブ500年史(下): オスマン帝国支配から「アラブ革命」までアラブ500年史(下): オスマン帝国支配から「アラブ革命」まで
(2013/10/24)
ユージン ローガン

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 イギリスのオックスフォード大学の中東研究所の所長が著者。

 オスマントルコ帝国から、現在のアラブの春の状況までを、詳細に分析した大著。

 特に対象は、中東地域と北アフリカ地域。

 オスマントルコ帝国が衰退していって、それぞれの地域の事実上のムスリムの支配が強まっていくプロセスと、イギリス、フランスが中心になって、中東を第一次世界大戦のあとに人為的に分割する。

 同時に、イギリスの三枚舌外交で、今のパレスチナ・イスラエル問題の芽が生まれる。

 第二次世界大戦のよって、イギリスとフランスが植民地支配から手を引いて、最初は部族長が王政をひくが、だんだん、軍を中心とした世俗的政権が生まれる。

 その次に、世俗的政権の独裁的な政治に反発して、イスラム主義色の強い政権がイラン革命を経て生まれつつある。

 一方で、石油資源を背景にしたアメリカの介入が、中東諸国の混乱を一層激しいものにする。また、イスラエルに対する米国の支援が、より一層、アラブ人に憎悪をかき立て、テロに走る。

 アラブの春で、少し民主的な動きが、チュニジア、エジプト、リビアに見えたようにみえたが、結局、イスラム主義色の強い政党に対して、エジプトには揺り戻しが起きている。

 また、イスラエルの周辺ではテロが収まらない。レバノンもそう。シリアの内戦も出口がない。

 大変、混乱した状況にいまアラブはあることがわかる。混乱と自己都合による欧米の介入が、どんどん不寛容なイスラム主義を生んでしまっているという、悪循環。

 一体、どこに解決の糸口があるのかわからないぐらい、紛争の根は深い。

 そういう大局的な見方ができるようになるために、是非とも、日本人は読むべき本。

 たぶん、アラブからイスラム主義国という眼でみると、新疆自治区やチェチェンの問題もみえるような気がするが、この本はそこまで触れていない。しかし、アラブの政治混乱を知るには必読書だろう。

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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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