2014/03/09
岩崎育夫『物語 シンガポールの歴史』を読んで、常に経済成長し続けないといけない国家は大変だと思う。
物語 シンガポールの歴史 (中公新書) (2013/03/22) 岩崎 育夫 商品詳細を見る |
以前に、リー・クアンユー世界を語るという本をブログでコメントした際に、高校の同窓生でシンガポールで働く木村きんが紹介してくれた本。
植民地時代のシンガポールがイギリスのラッフルズに発見された話から、最近の2011年の選挙で与党の人民労働党が実質的に敗北して、リー・クアンユーが政治的に引退した時点まで、冷静に記述している。
前のブログを書いたときには、りー・クアンユーの話にある程度説得されたところもあったのだが、やはり、リーの話は、人工的につくった都市国家、管理国家を前提にした話だとよくわかった。
日本のように人口が1億人をこえて、多様な意見がある国で、リーのように、経済成長一本槍で、国家と国民を管理していくという発想は適用できないだろう。
逆に、シンガポール国民は、自分の国がこの小さな島だけで生き残るためには、やはり秩序だった経済成長一本槍の国でありたいという意見を持つことも否定はできないし、別に日本人が悪いということもできない。
ただ、シンガポール政治、行政体制を日本の政治・行政体制のモデルにはならないということ、そこだけをきちんと押さえておく必要がある。
皆さんも、シンガポールのシステムがモデルとして説明されたときには、極めて抑圧的な管理国家の事例であって、そのまま日本に導入できないことに注意しましょう。
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