大澤昭彦『高さ制限とまちづくり』を読んで、実態の分析は丁寧だが提言の部分が薄いと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/03/11

大澤昭彦『高さ制限とまちづくり』を読んで、実態の分析は丁寧だが提言の部分が薄いと思う。

高さ制限とまちづくり高さ制限とまちづくり
(2014/02/28)
大澤 昭彦

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 最近の学芸出版社の本として知ったので購入。

 著者の博士論文をまとめた本。

 高度地区と景観計画の高さ制限について、歴史、現状を丁寧に分析している。その情報量は大変なもので、実際の都市計画現場の実態がよくわかる。

 自分として貴重な情報と思った点。

(1)高度地区で絶対高さ制限をかけるときに、既存の建築物で高さをオーバーしている建築物に限って、その高さでの建て替えを認めるといった緩和措置を都市計画の中に書き込んだ都市計画について、横浜地裁(昭和63年11月16日)と、最高裁第三小法廷(平成14年1月22日)で合法との判決がでていること。(p149)

(2)自然環境保全法では、既存建築物はその高さまで許容する高さ制限を法定化していること。(p103)

(3)京都市は、高度地区の記載で景観誘導許可制度を書き込んでおいて、その第三者手続き、住民手続きを条例化していること。(p221)

 実際については、よく分析されているが、制度的な提案はあんまりない。たとえば、集団規定について民間指定確認機関が行うことへ疑問とか、総合設計への住民手続きへの疑問が呈されているぐらい。

 自分としては、景観計画に基づく、変更命令が、どうして形態意匠だけに限定されているかわからない。これが高さ制限にもかかっていれば、随分効果が違うと思う。この点はもっと勉強したい。

 そのほか、やはり、全国のほとんどの都市が人口減少になり、また、東京に業務中枢機能を集中するにしても、一極集中して生産性を高めるという国土政策の方向から考えると、地方都市や大都市圏の周辺都市で従前がかなり低層なのにそこに突如としてマンションが高層で建つという行為を許容する理由が乏しくなってきていると思う。その意味では、容積率規制では、大規模な敷地ができると極端に周辺から突出した建築物ができるので、絶対高さ制限をできるだけ活用すべきと思う。

 そのための制度的な提案についてはもう少しよく考えてみる。

 なお、一極的な集中を認める特定緊急整備地域には、超高層の事務所やオフィス、商業施設、住宅が立地するのも、ありうると思うが、逆にそこに超高層建築物が集中して立地することが大事だと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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