麻生幾『前へ』を読んで、自衛隊、東北地方整備局、内閣危機管理室の勇気ある活動、ちょっときれいごとだな。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/03/13

麻生幾『前へ』を読んで、自衛隊、東北地方整備局、内閣危機管理室の勇気ある活動、ちょっときれいごとだな。

前へ!: 東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録 (新潮文庫)前へ!: 東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録 (新潮文庫)
(2014/02/28)
麻生 幾

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 東日本大震災の応急対策にあたった、自衛隊、東北地方整備局、官邸の内閣危機管理室の動きを、あたかも、一定の個人の偉人伝のように記述。

 その中であれっと思う点、制度的に改善すべき点を整理してみる。

(1)原子力災害で、自衛隊に対して、海江田経済産業大臣が指示していて、現場がとまどった点。

 これは、そのとおりで当時は原子力災害対策本部の事務局は原子力保安院だし、本部長は総理。総理が指示しないといけない。この制度がきちんと動いていなかった、特に、政治家レベルで原子力対策も通常の自然災害対策本部も動いていなかった点は問題。

(2)上記に関連するが、原子力災害対策本部や災害対策基本法に基づく緊急対策本部の設置の前に72時間程度活動する、官邸に置かれる、緊急参集チームについて、著者は手放しに褒めているが、本当か?

 緊急参集チームは、各省庁の防災に係わる局長級が官邸の地下に集まって、トップは内閣危機管理監。この時総理は5階の自室にずっといた。結局、各省庁で出先や部隊に指示すべきもっとも重要な人物が官邸地下に拘束され、かつトップの内閣危機管理監は、自然災害から、武力行使への対応まで危機なんでも扱う建前の警察官僚。

 本当にこういう仕組みが適切なのか考える必要がある。自分は、戦争に係わることは、内閣安全保障会議、原子力災害は原子力災害専門の部局(現在は原子力規制庁)、自然災害は、防災専門部局(現在は内閣府防災担当政策統括官)が仕切るべきだと思う。

 ちなみに、今、アメリカの前国防長官のゲイツの自伝を読んでいるのだが、ゲイツは、ハイチのハリケーンでの対応で、大統領スタッフの元軍人が出張ってきて、米軍の指揮が混乱したことを指摘している。その意味では、自然災害などは、官邸の外に防災専門の組織を置くべきだろう。FEMAというのが米国にはある。

(3)東北地方整備局の局長の徳山氏が、通信手段がなくなった被災市町村に局員をリエゾンと派遣して、自分をやみやの親父とおもってなんでも注文してくれといった話。

 これも美談として伝わっているが、通信機器を貸すとか、人力を提供するのは災害時の緊急事態としてありえるが、棺桶まで東北地方整備局で購入したのはいきすぎ。これは災害救助法に基づく、県が行うべきこと。また、災害救助法での棺桶の購入には県の自己負担も若干ある。税金の支出になる部分については、本当の担当者に東北地方整備局からのリエゾンは連絡すべきだった。今回の東日本大震災の応急対策では県の活動は薄かったようにおもうが、だからといって、勝手に県がすべきことを東北地方整備局はすべきではない。案の定、国土交通省では棺桶代は支出できなく、他省庁の助けを借りることになった。

 今の時点で読み直すと、冷静になっているのでいろいろ反省点がある。それは今だから言えるのであって、その当時の人は必死だった、という評価もあるが、あえてそれも冷酷に再評価していかないと、改善につながらない。その意味で、冷静に再評価してみた。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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