船橋洋一『原発敗戦』を読んで、戦前の日本軍の指揮体制と比較するのはいかがかと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

2014/03/15

船橋洋一『原発敗戦』を読んで、戦前の日本軍の指揮体制と比較するのはいかがかと思う。

原発敗戦 危機のリーダーシップとは (文春新書)原発敗戦 危機のリーダーシップとは (文春新書)
(2014/02/20)
船橋 洋一

商品詳細を見る


 著者は、原発事故の対応について、リスク回避、縦割りによる横のガバナンスの欠如、指揮命令系統が不明確な縦のガバナンスの欠如、両論併記の構造、リーダーシップの欠如などをあげ、日本の第二次世界大戦の指導大戦との類似性を指摘している。

 僕は意見がちょっと違う。

 第二次世界大戦でも、別に陸軍が海戦をやったり、海軍が陸戦をやったわけではない。

 しかし、原発事故はそもそも制度的に、経済産業省と文部科学省、そして原子力委員会と官邸の危機管理室との関係が不明確で、いわば、どこが東京電力を指導し、命令するのか明らかでなかった。いわば、海戦をどの軍隊がやるかが決まっていなかった。

 これは、原子力行政が発足当時から、通商産業省と科学技術庁にわかれ、経済企画庁にさらに原子力委員会があり、実態の技術者は各電力会社にいるという、権限争いが決着しないまま現在に至っていることに大きな原因がある。

 これからは、原子力規制委員会ができて、経済産業省から原子力保安部門を切り出し、放射線医療研究所の所管も文部科学省から切り出している。しかい、まだ、原子力技術開発の部分は文部科学省に残っているし、原子力を含んだ電力会社規制は経済産業省に残っている。

 経済産業省も文部科学省の原子力防災とかやりたくない部分を切り出しただけで、まだ、自分のところの権限、例えば原子力を含む電力会社規制などを残そうとしている。

 また、国と地方公共団体の役割も不明確。原子力災害対策特別措置法では、避難指示とか警戒区域の設定は国の権限になっているが、避難計画の作成などは、自然災害と同じく市町村の地域防災計画で定めることになっている。しかし、自然災害とか船舶事故のような小規模な事故と、原子力災害はきちんと法体系もわけて、後者は全面的に国が責任を負うべきだろう。自然災害なら市町村が避難計画を定めるのがふさわしいと思うが、原子力災害の避難は、都道府県を越えた広域避難なので、国が主体的に行うべきではないか?

 また、国と民間企業との関係についても、今は、全部を東京電力が背負っているが、福島第一原発についての廃炉や賠償の問題は、個別の電力会社から切り出して、国直営の会社にして、国が前面にでて責任を持つべきだと思う。

 国策として、エネルギー政策として進めてきた原子力行政なのだから、原子力災害がおきたときの応急対応、除染、賠償んどの復旧対応についても、「国が前面にでる」というのを、かけ声だけでなく、法制度なり体制として、きちんと整理すべきだと考える。

 原子力災害の対応を、第二次世界大戦の日本軍の指揮のまずさと比較するのは、なんか、問題点をむしろ見えにくくしていると思う、

 
スポンサーサイト
pagetop

コメントの投稿

非公開コメント

pagetop
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。