久住真也『幕末の将軍』を読んで、伝統的な正統性は、儀式や装束などによって支えられていることを知る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/03/25

久住真也『幕末の将軍』を読んで、伝統的な正統性は、儀式や装束などによって支えられていることを知る。

幕末の将軍 (講談社選書メチエ)幕末の将軍 (講談社選書メチエ)
(2009/02/11)
久住 真也

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 なんで購入したか失念。

 家斉、家慶、家定、家茂、慶喜の幕末の5代の将軍の軌跡を丁寧に分析。

 家斉から家定までは、著者によると権威の将軍という。儀式や装束など、他の大名とか大衆からは区別され、隔離された存在として、権威を維持している。外にでるときには、大衆の目に触れないことによって、神聖で近づきがたい存在として権威を維持できた。

 しかし、ペリーを始めとする外国の圧力から、家茂、慶喜などは、国事の将軍として、実際に、朝廷工作とか組織改編、軍事部門の西洋化などを進め、改革派として、日本の国難に対処しようとする。

 しかし、そもそも、将軍家の権威が、近づきがたい、神聖な存在という伝統は、国事に飛び回るに当たって配慮することができず、それが、しらずしらずのうちに、将軍家の権威を傷つけ、公武合体から倒幕へと流れも変わっていく。

 また、外国の脅威について、孝明天皇と朝廷は、極端な攘夷思想を持っていて、それに幕府はしばられ、その失敗はすべて幕府の政策の失敗とされる。うまく、二重の権威をつかって、朝廷は責任のがれをしたと言える。

 大政奉還後、権力を握った朝廷側の薩長側が、すぐに開国に論をきりかえたのも、それまでの攘夷をめぐる問題、トラブルをすべて幕府に押しつけられたから、政策の転換が無責任に行えたともいえる。

 特に、家茂、慶喜の時代に、外国の圧力と、頑迷な天皇、過激な朝廷側近とそれをあおる薩長に翻弄されつつも、全力で日本の朝廷を奉りつつ、外交、内政に努力した姿は立派だと思う。

 この本を読むと、今の常識では、慶喜はある程度評価されているが、その前の、あまり評価の対象にもならない、家茂も優れた指導者、柔軟な改革者だとわかる。

 司馬遼太郎の本ばかりよんでいると、幕府側の評価が極端に低くなるので注意が必要。

 ちなみに、権威というのは、ある程度、威厳と近づきがたさが必要という意味からいうと、まったく脱線だが、内閣総理大臣が「いいとも」にでるというのはどういう影響があるのか、考えさせられる。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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