兒山真也『持続可能な交通への経済的アプローチ』を読んで、交通経済学の最先端の議論といろいろアイディアを思いつく。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

2014/03/26

兒山真也『持続可能な交通への経済的アプローチ』を読んで、交通経済学の最先端の議論といろいろアイディアを思いつく。

持続可能な交通への経済的アプローチ持続可能な交通への経済的アプローチ
(2014/03/10)
兒山真也

商品詳細を見る


 これも確か美濃部くんの推薦。全体的に最近の議論とかわかって有意義。

 ちょっと別の観点から、いろいろ感じた点がある。

(1)持続可能性自体があいまいな概念だが、著者によれば、次世代に負の資産を残さないとか、最低限のアクセスニーズを満たすとか、アクセシビリティが向上する、といったことらしい。(p10)

 こういう意味での持続可能性も大事だが、交通機関(独立採算制をとっている場合に)の採算性の確保と、その外部効用を補助するための国と地方の財政が維持可能であること、という視点が大事だと思う。きれいごと、例えば、次世代によい環境をのこすために公共交通機関、鉄道を残しましょうといっても、鉄道会社が赤字を持ち続けることはできないし、それを補助する財政負担も、これから人口減少、経済停滞の社会に入って、耐えきれなければ、その公共交通機関はまったく持続できないから。

 そういう観点での持続可能性の危機がいま一番問題になっているのだと思う。要はお金がすべてということ。口で環境価値とか安全価値とかいっても、具体的にお金にかえるシステムを構築できなければ、結局学者のたわごとになってしまって、公共交通機関は維持できない。

(2)最後の章で目的税、特に道路特定財源の話がでているが、一般財源化と暫定税率の維持というのは理屈上変な感じもするが、国の財政の状況からするとこれをまた変えて目的税化するような議論はできないと思う。

 むしろ、米国のTIFとかBIDのように、地区単位で必要なインフラを地区住民の負担なり協力でつくる、維持するといった発想が大事だと思う。昨日、地方鉄道が利用圏内の固定資産税による赤字補填でなりたつかどうかをブログで提案したが、これも同じ発想。

 とりあえず、強制的に負担金を地方公共団代が徴収するのは、行政コストもかかりすぎるので、大阪市のBID構想へのコメントしたように、地区単位で組合なり会社に法人化してその中で管理費、整備費を法人自身が集めるといった仕組みの実践を始めたらどうだろうか。

 新しい道路がほしければ、その沿道となる地区法人が一定の負担をするという仕組みを制度化して、実践していくことによって、ミクロベースで目的税化、受益者負担化をはかるのがいいと思う。できるだけ、国の財政、地方財政の外側で民間ベースで自主的に負担するという仕組みが大切だと思う。

(3)著者があとがきでいっているように、交通政策基本法で公共交通の維持を主張するのと、コンパクトシティの議論は矛盾する可能性がある。(p198)

 今の都市再生特別措置法の改正案では、都市内の縮小という観点が強いように思うが、本当は、限界集落など、そこの集落があることによって、公共交通としてコミュニティバスを出したり、道路の除雪なの維持管理負担が過大になるといった、まさに限界部のところで、公共交通とコンパクトシティがバッティングする。この問題は、僕は、林直樹さんが主張しているように、円滑により大きな集落や都市部に限界集落は撤退していくしかないと思う。防災集団移転促進事業などでできるだけ山裾に残っている限界集落はより、まちの方に移転してもらって、公共施設や公共交通機関の維持管理費を負担軽減を図る必要がある。これが、地方財政負担を軽減する、本当の意味でのコンパクトシティだと思う。

 著者がねらったところ以外で、いろいろな気づきがあったので、書き留めておく。
スポンサーサイト
pagetop

コメントの投稿

非公開コメント

pagetop
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。