矢島隆ほか『鉄道が創りあげた世界都市・東京』を読んで、ものすごく良い本だが、これからの計画論は大きく違うと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/04/03

矢島隆ほか『鉄道が創りあげた世界都市・東京』を読んで、ものすごく良い本だが、これからの計画論は大きく違うと思う。

 美濃部くんの紹介。アマゾンではかえない。計画計量研究所の出版で購入できる。

 首都圏と関西圏を中心にして、鉄道整備の歴史、民鉄を中心とした都市開発と一体となった鉄道整備の歴史など、詳細に分かる。東京と大阪が、効率的な鉄道網を整備し、比較的自動車に依存しない通勤体系をつくってきたのはすばらしいと思う。

 しかし、これから、人口減少、高齢化、そして、経済発展の成熟化と国際競争力の激化を考えると、これまでのような鉄道と都市整備の考え方でいいのか、と疑問に思う点あり。

(1)イギリスとオランダの繁栄と長期的な衰退をあつかった本http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-1698.htmlでコメントしたとおり、生産から流通、そしてサービス業の高度化した形態である金融に業務がシフトしていくことを考えると、東京でも多核型とかいって業務核都市を育成していく余力などなく(ではp163)、東京の中心区に業務を集中して、国際競争力を維持し、世界と戦っていく必要があるのではないか。

 現状でも自然と高度なサービス業は東京都心に集中していきつつあることを、もっと正面から国土計画、大都市圏計画で受け止めた方がいいと思う。

(2)東京都心という超高度利用が求められるところでは、香港で進められ(p47)、日本でも渋谷で試みられているような駅上空の高度利用のような、駅の交通結節機能を最大限活かす手法が求められているのではないか。

(3)東京であっても、郊外や都心の周辺で鉄道の利便性の低い地区は「間」の空間として、高齢化が進み、空き家や空地が増えてくる。これに対して、新しい鉄道とかLRTは当然無理だし、利潤をあげる形で民間企業がバスを運営することはできず、コミュニティバス、デマンドタクシーなどできるだけ、市区町村の財政負担の少ない方向で維持を検討していくことになる。

 それでも、維持できないときに、矢島先輩はカーシェリングが有望といっている(p315)。それもあるかもしれないが、今のようなレンタカー会社が運営する意味でのカーシェアリングではなくて、近所の若い衆に買い物の時に乗っけてもらうという意味での事実上の「クルマのシェア」ではないか。

 高齢化してくると、クルマは持っているけど、運転するのは危ないという高齢者が増えてくるので、地域の住民同士で助け合うということしか方法はないのではないか。そこに、もっと違った形での、サービス産業の形態がうまれてくるような気がする。

 いずれにしても、鉄道沿線をヒトデの手のように市街地が拡大してきたのが、指と指の間がすかすかになるという市街地構造を東京とか大阪でも考えなければいけない。その時代には、従来の鉄道と都市整備の一体開発のモデルはまったく役に立たないと思う。

 これまでの鉄道と都市整備の事業モデルはわかった。しかし、それでは役に立たない、都市の縮小の時代に、どうやってそれを実現していくか、その傷口ができるだけ痛まないように、計画論、事業制度論をどう打ち出すかが課題と痛感した。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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