河村和徳著『東日本大震災と地方自治』を読んで、社会科学の観点はなじみがあるのでかえって突っ込み不足を感じる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/04/26

河村和徳著『東日本大震災と地方自治』を読んで、社会科学の観点はなじみがあるのでかえって突っ込み不足を感じる。

東日本大震災と地方自治―復旧・復興における人々の意識と行政の課題―東日本大震災と地方自治―復旧・復興における人々の意識と行政の課題―
(2014/04/18)
河村 和徳

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 社会科学系の先生が著者なので、自分としてはなじみのあるアプローチだが、なんか突っ込みがたりない気がする。

 例えば、地方の不採算バスについて、住民が合意できるレベルの補填財源を考えるべきと言っている。(p73)

 これはそのとおりだが、長い歴史の中で、道路の管理は税金、自動車の管理は個人負担、公共交通機関は独立採算という意識が日本人にできているなかで、著者が提案するような駐車場に法定外課税をするとか、簡単に実現するとも思えない。理屈はそうだが、簡単に市民が余分の税金を支払ってくれない現実の中で、例えば、バス専用レーンをつくってバスの定時性を確保するとか、社会実験として中心部を歩行者専用空間にして、自動車がない空間のよさを体験してもらうとか、いろんな努力を現場ではしている。

 単なる理屈で、自動車利用が不便になるような税金をかけたらいい、と言われても、こちらはそれがうまくいかないからどうしたらいいのかを悩んでいるんだよという気分になる。

 防潮堤の高さについても、大学の先生がそれぞれ教祖さまになって町を分断して困りますという住民の発言を引用している。(p31)

 実態としてそういう発言はあったのかもしれないが、まず、制度的に国土交通省、農林水産省の課長通知があって、L1での防潮堤の高さを津波シミュレーションから県が計算して、それを原則、地元に降ろした。そこと、復興のまちづくりの調整が十分に議論されず、市町村と県の間でも意見のすりあわせがされず、相互に反映されるような計画であるとの理解が海岸仮者側になかったことが重大な問題だと思う。

 ものごとの本質をつかまえずに、地元に入った研究者がいろんな高さをいうことを批判するのは、ちょっと論点が違うと思うし、ぼくは実態がよく見れていないと思う。

 全体を通じて、政治学や社会学の論説から説き起こしていて、そういう学説も被災地につかえるのか、という感じはするが、別に外国人の政治学などの学説がつかえるかどうか、それで現状がクリアにみえるかどうかが問題ではなくて、どうやって、被災者の生活の再建につながる復興計画になるか、ということが大事だと思う。

 学説をたれるだけなら、被災者支援などと偉そうなことをいわない方がいいと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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