内田樹編『街場の憂国会議』を読んで、社会民主主義的な著名人が今、何を危惧しているかわかる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

2014/05/11

内田樹編『街場の憂国会議』を読んで、社会民主主義的な著名人が今、何を危惧しているかわかる。

街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室)街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室)
(2014/05/01)
内田樹、小田嶋隆 他

商品詳細を見る


 内田樹さんの名前を見つけて購入。

 国民の生活環境とか、国民の格差の是正などを維持することを中心にして、いわゆるリベラルな論陣を張っている人たちが、今の政治風潮に何を危惧しているかがわかる本。

 市場のメカニズムを尊重に世界との競争を中心に考える、新自由主義の人たちの対極にあるが、新自由主義によって、経済の維持成長をはかる、エンジン部分と、社会の格差が広がらないように、また市場メカニズムからこぼれた人たちに、社会保障的な観点から支援を行う社会の支えとなる部分は両方必要で、特に、後者では、税金で対応すえき部分が大きくなる。

 その意味で、新自由主義的な考え方と社会民主主義的な考え方は、分裂するものではなく、融合しつつ、政策のバランスを考える必要がある、というのが自分の立場。

 この本で、大事だなと思った点。

(1)内田樹:「国政においては、次の世代のこと、次の次の世代のことまで考えなければならない。そのために民主政がある。」(p39)

 民主政は、チャーチルがいうとおり、あまり優れた制度ではないが、これまで歴史上試された制度の中では一番ましなもの。ただし、決定に時間がかかるし、国民の意見集約など手間もかかる。しかし、それは、過った判断をしないため、また、したための国民への損害を最小限にするために歴史から学んだ結果であるので、誰かが単独で、一気にきめていいものでないということが、民主政のルールであることを大切にしたい。

(2)高橋源一郎「民主政というのは「複雑なものを複雑なままで理解する試み」」(p132)

 政治家は忙しいから、すぱっと一言で言わないと頭に入らない。しかし、制度とそれを形成してきた歴史的事実、あるいは国際的な状況は極めて複雑、この複雑なものを、それ自体といていとわない、そういう姿勢が大事だし、政治家を支える公務員には重要な認識だと思う。

(3)中野晃一:19世紀後半から20世紀前半にかけてのイギリスの「新しい自由主義」とは、単なる自由放任主義を越えて、「人間が本当の意味から自由であるには、衣食住や基礎教育などの社会基盤があることが前提で、そうして始めて人は人らしく自律し、自己決定をすることができる。」(p204)

 これは、きちんとした、穏健で中庸な判断をするためには、きちんとナショナルミニマムが制度によって支えられていることが大事だと言っていて、自分が先に述べた、市場メカニズムの尊重と社会民主主義的な観点からのナショナルミニマムを支援するという発想と同じだと思う。

 なにごとも極端に走るのは、テンションがあがって気持ちがいいけど、日本の歴史、世界の歴史からみれば、テンションがあがって浮ついている時代に正しい政治決定はできない。落ち着いて、民主政をみんなで支える思想を、できのわるい制度としりながら、ちゃんと守っていくという、粘り強い思想の力が必要だと思う。

スポンサーサイト
pagetop

コメントの投稿

非公開コメント

pagetop
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。