橋爪大三郎『国家緊急権』を読んで、それでもぼくは現行憲法の下で緊急事態のための法制度をきちっと整備する必要があると思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/05/25

橋爪大三郎『国家緊急権』を読んで、それでもぼくは現行憲法の下で緊急事態のための法制度をきちっと整備する必要があると思う。

国家緊急権 (NHKブックス No.1214)国家緊急権 (NHKブックス No.1214)
(2014/04/19)
橋爪 大三郎

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 タイトルで購入。自民党改憲案で緊急政令の規定を設けているので、勉強のための購入。

 まず、本書の最後の参考の部分に、国家緊急権についての憲法学者の学説、内閣法制局の答弁、ドイ基本法の条文など各国の条文、日本の法律で緊急事態を扱った条文がついていて、勉強に便利。これだけでも購入の価値あり。

 次に、国家緊急権について、著者は、国家の存亡をかけて緊急事態に陥ったときには、憲法制定権力をもつ国民の委託を受けて、政府機関が憲法秩序、法律秩序を乗り越えて、一定の期間に限って、権力を行使することをいう、と整理している。国家緊急権は政府機関が行使するもので、軍隊が行使する戒厳令とはそもそも違うこともちゃんと意識したい。

 その上で、著者は、憲法にその規定をおく必要はないし、おくべきでもないという。

 憲法に規定をおくべきでないという理由としては、本来国家緊急権を発動した政府機関のトップは、緊急事態が終了した後、裁判にかけられることもありうるという覚悟で行うべきであり、憲法に規定することで安易かつ合法的と誤解して憲法秩序を越えた行為をしかねないし、また、論理的には、すべての緊急事態を踏まえた規定を憲法に明記することはできないからという。

 前者の観点には同意する。後者については、検証が必要だが、あらかじめ想定されることはむしろ法律に規定すべきと考える。

 自分は、防災法制を担当した経験からいうと、そうは言っても、自然災害、戦争状態などの緊急事態に生じたときに、あらかじめ想定できる緊急的に対応すべき事柄については、知恵を絞って、あらかじめ法律に規定しておくことが必要と考える。

 例えば、災害対策基本法では、緊急事態制限をした場合には、物価統制、配給、金融モラトリアムなどの措置が政令でとれることになっていて、事後的に国会の承認をえることになっている。

 そのような措置をできるだけ充実させておくことが、例えば自然災害に対しては、防災担当の官僚の努めだと思う。

 同様の緊急事態における医者や運送事業者などへの従事命令などの規定は災害救助法にもあるので、一度、災害法制全体からみた、緊急事態における強制的な措置について、整理してみたいと思う。

 前回の災害対策基本法では、国家緊急事態において緊急政令を行うべき事態は、先にあげた三つ以外には想定できなかったので、改正をしなかったが、もう一度よく検証してみたいと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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