野田邦弘『文化政策の展開』を読んで、文化や芸術で地域を活性化するという発想が完全に間違っていると思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/05/31

野田邦弘『文化政策の展開』を読んで、文化や芸術で地域を活性化するという発想が完全に間違っていると思う。

文化政策の展開: アーツ・マネジメントと創造都市文化政策の展開: アーツ・マネジメントと創造都市
(2014/04/15)
野田 邦弘

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 文化政策から創造都市まで語った本。

 久しぶりに著者と全く意見があわなかった。

 まず、都市というのは、付加価値をあげられる産業(農業からサービス業まで含む)が集中立地して、成長する。そしてその決めては、要はイノベーティブな中小企業がどれだけ起業して、そしてそこでシナジー効果をだして、新しい、破壊的なイノベーションを起こすか、というのが決めて。

 エンリコモレッティの本はそれを的確にデータで分析している。

 そうしてイノベーティブな若者たちが集まってきて高所得層が増えてくると、街の生活環境の改善の要望もでてくるし、さまざまなサービス業の要望もでてくる。アートや芸術の要望もでてくる。

 要は所得があがった都市空間でないと文化は育たない。ヨーロッパで芸術が栄えたイタリアは地中海貿易、スペインやイギリスは植民地貿易で膨大な経済成長を行って、その結果として多くの芸術家を抱えて、新しい芸術が発展してきた。

 芸術が発展したから、イタリアやスペインが栄えた訳ではない。

 また、自分は図書館とか博物館、美術館などの硬直的な利用ルール、そして、住民サービスを考えない学芸員や司書などの資格についても、抜本的に民間の資本や競争で改革すべきだと思う。

 著者は大学で司書とか学芸員とかの教育が進んでいるのに就職先がないことを指摘しているが、そもそもそんな資格がいるのか。図書館は、もっと単に蔵書を管理するだけでなく、産業のイノベーション施設として、様々なサービスに対応すべきで、別に司書という資格がいるとも思えない。そういう本の所在だけでなく、ネット上の様々な情報の検索、論文の検索などを指導する専門家の方がずっと、まちの成長に役立つと思う。

 フロリダの創造都市なども、創造的な人間が生活環境を求めて集まってきたというところに因果関係の間違いがある。イノベーティブな人は最初はひどいまちだったシアトルに集まってきた。そのきっかけの判断は難しいが、結果として集まったから、生活環境も改善してきたということ。これはエンリコモッティも指摘している。

 なんか、最近の国立競技場の新築に関する文部科学省の国民に対する説明のなさとか考えると、文部科学行政って、なんか独善的、閉鎖的ではないか。

 もっと世の中の民間の会社や企業、NPOは競争にもまれている。また、地方公共団体だって、財政赤字に苦しんでいて、もう文化関係の箱物など維持できないところまで来ている。
 
 その文化行政に関する危機感がまったく感じられない本。

 こんな発想をする行政がまだあるということで感動をうけるので、本屋でぜひ立ち読みをどうぞ。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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