入江昭『歴史家から見る現代世界』を読んで、あまりに楽観的な国際社会の見方に驚く。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/06/07

入江昭『歴史家から見る現代世界』を読んで、あまりに楽観的な国際社会の見方に驚く。

歴史家が見る現代世界 (講談社現代新書)歴史家が見る現代世界 (講談社現代新書)
(2014/04/18)
入江 昭

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 著者はアメリカで教鞭をとっていた歴史学者。

 これからの主権国家の歴史とかその相互間の外交というのは時代遅れで、地球全体としての歴史をみて、世界を考えるべきという。

 著者の結論は以下のとおり。

「現代の世界は過去とは質的に異なってきている。過去のようにいくつかの国の集合体としての世界ではなく、横につながり、混合して、「雑種的」な文化や生活様式を作り出す世界に近づいている。そのような世界においては、個々の国の国益ではなく、地球全体、人類すべての生存、利害、福祉などを考えなければならないところまできているのである。」(位置No. 2307-2310)

 その根拠として、まず歴史学では国の主権国家の歴史を分析する時代はおわり、文化なり交流なし全地球的な歴史を考える時代が来ているという。また、EUをはじめとする国際的な地域共同体ができていることもあげる。

 そんな時代に向かって、本当に国際社会は進んでいると言えるのか。

 ウクライナ問題についても、国際連合も機能しないし、シリアの内戦についても国際的に対応できない。

 中国が東シナ海、南シナ海に海洋進出を図ろうとしていて、アメリカの太平洋覇権とぶつかりつつある。

 そのような厳しい国際環境の中で、主権国家が溶解して国際的な共同体が機能すると、どうして期待できるのか、自分が現実的にすぎるのかもしれないが、とても信じられない。

 もちろん、歴史認識についても、日中韓などで、学者たちが政治とは離れて共同教科書をつくる努力とかはとても大事だと思う。http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-1724.html

 でも、そんなに国際社会の紛争は単純ではない。EUについても、ドイツの経済が支えているのに、支えられてるフランスやイギリスなど各国でEUから離脱することを主張する極右政党が力を伸ばしている。今は、冷静で理性的なメルケルがドイツを抑えているが、ドイツにとってメリットが少ない(唯一あるのはユーロが他国の影響で安いので輸出ができるくらいか?)EUをどこまで支えきれるか、という実は瀬戸際に来ていると思う。

 まして、共通の歴史認識しかもてない、環太平洋でそんな国際的な地域共同体ができるとも思えない。主権国家同士のメリットがバランスがとれるように、TPPとか交渉しているにすぎない。

 そんなに、自然に地球全体の利益を考えるような方向に、世界秩序が進んでいるとはとても思えない。

 是非、この極端に楽観的で地球全体の秩序ができると夢想する著者の考え方についての皆さんの意見をお聞きしたい。

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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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