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2014/06/16

藤田宙靖ほか『土地利用規制立法に見られる公共性』を読んで、引き続き、都市計画法の基礎を勉強中。(マニヤック)

 土地総合研究所が発行。アマゾンでは中古でも売っていない。

 生田先生とか藤田先生が中心となって、土地利用規制の公共性について、根っこから議論している。

 テーマは、必要最小限原則、地方分権、計画体系。

 個人的なメモは以下のとおり。

(1)土地利用規制について必要最小限原則があるというが、財産権を規制するのだから、目的が適切で手段がその目的にあった合理的・効率的なものであることは当然だと思う。特に、土地利用規制について必要最小限原則というものがあるのか、よくわからない。もちろん、精神的自由と経済的自由について、後者の方がより積極目的での規制が許されるという二重基準の存在は理解しているつもり。

(2)成城大学の棟居先生の、財産権の制約は全国一律の原理に基づく必要がある。いわば、方程式は一つで自治体ごとの変数はそれぞれ違っていく。y=f(x)のxに自治体が変数を放り込む。(p29)

(3)山野目先生の民法の地役権と相隣関係が財産権の制限の参考になる。(p40)

(4)磯部先生の「実は行政のシステムリソースの不足こそが今後の行政システムの再構成を決定づける要素」(p153)

 ここから、単純な公権力行使でも補助金でもない、民間の自発・自律行動を組み込んだ複合的手法を提案。

(5)東大の佐藤岩夫先生:実体的価値はあらかじめ定まった答えが想定しにくいので、何が正しいかは、手続きの中で多様な事項と多様な視覚が折り合わされる中で初めてさだまっていくもの。(p162)

あとは、個人的感想。

(1)全国的な統一的規制の必要性は安易に前提にするのではなく、きちんと理論的に詰める必要がある。財産権の制限として損失補償が不要な範囲として全国的に共通な枠組みを示す、財産権の制約をかける上で、最低限、とるべき適正な手続きの枠組みを示す、全国的な視点からの調整の枠組みを示す、など。

(2)人口減少時代、経済低成長時代になると、かえって、各市町村が好き勝手に人口を増やす前提で都市地域を広げられても、全体として行政コストがあがって、国家として維持できなくなる。この人口減少時代での都市計画のあり方は、実は全国的・国家的な緊急課題だと思う。これを裏面として、国家として成長する地域を極めて限定して都市計画手法や税制などを集中的に投入する考え方も、異論はあるのはわかるが、理論的にも正当化できるものだと思う。異論は、それがどこでもかしこでも行われるからだと思う。

(3)都市計画の土地利用以外の部分、都市施設と市街地開発事業については、強制権とか収用権がついているので、地方公共団体の独自の動きはない。逆に、今の社会ニーズにあった手法を国が考えていかないと、時代遅れの制度を地方公共団体が使い続けることになる。

(4)都市計画は(2)の後段で書いた、経済政策的な部分を除くと、今後は、生活環境の維持と生産基盤の維持になると思う。急に低層住宅地に巨大な建築物を建てるのを避ける仕組みとか、生活インフラ、産業インフラが老朽化してダウンしないように次世代に受け継ぐために仕組みが必要。

(5)簑原さんがいう縦割りの話も、法律の仕組み上は都市施設だってエネルギー施設も決められるし、鉄道だって決められる。防潮堤と土地利用の話でも、市町村が防潮堤を都市計画決定するという動きを出せば、別の動きになったと思う。先輩たちは、最大限いろんなものが都市計画に取り組める仕組みをつくってくれている。それを活用しなかったのは、国もそうだが、実際に運用をになった県や市町村が補助金がつかないからといってそこまでやらなかったから。これからは、税制だけでもメリットがあるから、総合的な都市施設の出番はあるのではないか。それを国も後押しすべきだと思う。例えば、エネルギー施設の地域分散型を考えたら、都市施設の出番もあるのではないか。

(6)都市計画の策定主体として、地域団体のようなものも考えられないか。磯部先生がいっているように、今は提案制度までできた。もう少し、地元団体が主体性を発揮する仕組みをつくって、自らが地域環境を守っていく仕組みがあれば、行政のリソース不足を補えると思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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