板橋拓己『アデナウアー』を読んで、敗戦後の西ドイツ首相アデナウアーの西側結合の信念が今のEUにつながる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/07/01

板橋拓己『アデナウアー』を読んで、敗戦後の西ドイツ首相アデナウアーの西側結合の信念が今のEUにつながる。

アデナウアー - 現代ドイツを創った政治家 (中公新書)アデナウアー - 現代ドイツを創った政治家 (中公新書)
(2014/05/23)
板橋 拓己

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 以前、読んだ本で、敗戦後のアデナウアーがケルン市長だったときの発言が、印象に残っていた。http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-117.html

 今のドイツがヨーロッパの中心といて、経済面でEUを支えている、ドイツ国民にとって、経済政策をしくじった南欧諸国や東欧の貧乏な国を全部支えるという仕組みに、どこまで理解と寛容を示すのかという観点から関心がある。

 今はメルケルという卓越した保守政治家によってうまく統治されているけれども、最初に、西ドイツがフランスと連携しようとした歴史はどうなのか、この部分がよくわかる。

 カトリックのリベラルな考え方を持つ、ケルン出身のアデナウアーが、敗戦時点で、フランスと連携をする、ソ連とは徹底的に敵対する、ドイツの頭ごしにアメリカとソ連が交渉することを阻止するという複雑な戦略をたてて、まず、フランスとの連携、西側連合に強引に国策を引っ張っていく。

 ちなみに、SPDは昔からドイツにあるようにヨーロッパの中心として、アメリカにもソ連にも偏らない中立的な立場を主張していた。このSPDを破って、弱小右派政党と連立を組んで、アデナウアーは、いわば強引にフランスとの和解、そして独立を実現する。

 また、外交的に非常に難しかったイスラエルとの国交と補償も強引に政府部内の異論をおさえてまとめていく。

 ドイツ国民全体が責任を負うという主張をはねのけ、ナチスに全責任を押しつけて、和解する、その一方で、若い官僚などでナチス党員だった人間も有能であれば活用していく、という硬軟とりあわせて戦略をとる。

 まさに、戦後ドイツを立て直した立役者。

 逆に、こういう強引さによって初めて、フランスとの連合、EUの一部にとどまるという選択ができた。

 今は、むしろ、フランスも東欧も経済ではドイツに頼ってきている。戦争直後の自国の独立がかかっている時期ならいざしらず、ドイツが事実上EUの中心国になっても、ドイツが冷静し、そして、EUの単なる一国の立場を維持し続けるだろうか。

 冷静に考えて、ドイツにEUを維持するメリットがあるかどうか、を判断する時期がそのうち来るような気がする。そうするとヨーロッパの不安定化の可能性もでてくる。メルケルのあとの政権運営には要注意だと思う。あと、ドイツの極右勢力の動き。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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