松谷昭彦ほか『人口減少社会の設計』を読んで、10年前の本だから今読むと変だなと思う点あり。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/07/25

松谷昭彦ほか『人口減少社会の設計』を読んで、10年前の本だから今読むと変だなと思う点あり。

人口減少社会の設計―幸福な未来への経済学 (中公新書)人口減少社会の設計―幸福な未来への経済学 (中公新書)
(2002/06)
松谷 明彦、藤正 巌 他

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 姥浦先生の推薦。

 10年前の本だから、今読むと、もうはずれているな、と思う点あり。

(1)投資の減少と消費の拡大から人口の分散化が進むという予測。(p97)

 まず、生産年齢人口が減って経済成長が鈍化してえくると投資が減るのはわかる。現実にも、製造業を中心とした設備投資は国内では海外生産に勝てないので設備投資は減っている。
 
 消費の方も、経済成長の鈍化で所得が減るから、消費も減るはず。現在の日本経済では、派遣や期間雇用が増えて、正社員はベースアップをしても総額としての賃金は減少しているので消費は減っている。

 また、消費が仮に増えたからといって、人口が分散化するわけではない。人口の移動は、大きく、大学入学、就職と定年で移動するが、高学歴、高収入を求める若者は東京に集中し、団塊の世代は東京に家を構えて田舎にかえらない、帰れない状況なので、地方に人口が分散することは考えられないし、その徴候もない。

(2)日本は過大な設備投資が消費を圧迫している。設備投資を減らすことによって消費が増える。(p142)

 これは上に述べたとおり、実情とあっていない。また、今は高齢化が進み個人貯蓄が減る一方で、設備投資が減った部分が企業貯蓄に回っている。そもそも貯蓄は企業もするのであって、個人の貯蓄が高い水準にあり続けるという想定も間違っているし、その高い貯蓄を設備投資と消費で取り合っているという分析も間違っている。

(3)今後人口が減少し、経済が縮小しても、余暇時間は確実に増加する。(p209)

 これはそうあってほしいが、理屈がわからない。現状では、企業、特に従来型の製造業などは、労働コストが東南アジアと競争しなければいけないので、あげることができず、(正社員にはベースアップをするとみせかけつつ)、実際には派遣職員や期間工を導入して労働コストを下げている。

 これは労働者側からみれば、安い賃金で働かされ、雇用が不安定化しているのだから、労働時間も減らし用がないし、仮に余暇があっても、それを楽しむサービス消費に向かいにくくなっているはず。

 いわゆる、ヤンキー経済化していると思う。せいぜい、車でアウトレットモールにいって一時的に楽しむぐらいしか消費活動をしなくなっているのが現状ではないか。

 10年立ってから批判しているのは、公平ではないと思いつつも、あまりに予想が非現実的なのでコメントした次第。

 なお、将来都市の分類は面白そうだが、評価できないので今回はコメントしていない。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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