建築学者とか建築家が集まって、将来の建築の仕事を議論している。
言っていることはもっともなのだが、まだ、こんなことを建築の学生に向かって議論しなければいけない、こういう課題に対応できるカリキュラムに建築学科がなっていないことにちょっと驚く。
要は、建築学って建築をめぐる社会問題を解決する学問だと思う。
昔は耐震性とか耐火性能、大量住宅生産だったかもしれないけど、今は、住宅団地の空き家、買い物難民、商店街の空き家、シャッター街、公共建築物の埋まらない床、それでもやり続ける市街地再開発事業などが課題だと思う。
これを解決するには、もちろん建築の知識も必要だが、その床を成り立たせるための床需要、要は商売や事業の採算性とか新しいビジネスの動きをキャッチする能力など、様々な経営の知識、イノベーションの知識、都市機能の更新の知識だと思う。
それをどんどん建築学科で教えれば良い。建築士の試験に受かって、これからも大規模建築物の設計施工管理がしたい人と、建築をめぐる社会問題を解決したい人とカリキュラムを分けたら良いと思う。後者の人には当然都市問題、都市経営も学んでもらう。
どうして、そういう文理融合的な発想ができないのか不思議。
あと、これはと思った情報。
(1)「モクチン企画」(p45)
木賃住宅市街地は、ただつぶそうとしても、低所得者の居住地になっているので難しい。耐火性能をあげつつ、路地でも維持できるような木賃地区再生のモデルが必要と思う。その意味でどういう活動が関心をもった。
(2)公営住宅のシェアハウス化。(p105)
それもいいけど、団地とか町中の空き家を公営住宅のシェアハウスにしたらどうだろう。家賃徴収は銀行振り込みを前提条件にして、管理当番をきめる、管理が悪かったら家賃をあげるとか工夫したら、まちなかの空き家の活用方法にならないか?
(3)ネット上で空き家を旅行者に貸しているAirbub(p182)
旅館業法も一度きちんと勉強したいが、なんだか、簡易に旅行者に家を貸すのに邪魔になっているらしい。バックパッカーとかはやりだから、少しぐらい汚くてもとまるんじゃないかな。
もう、現実がリノベとかコンバージョンとか、エリアマネジメントにどんどん動いているのだから、建築学科の学生もどんどん変わってほしい。行政マンももちろんかわらないといけない。
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