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2014/08/05

池尾和人『連続講義 デフレと経済政策』を読んで、マクロ経済学の歴史をうまく整理している部分がいい。

連続講義・デフレと経済政策 アベノミクスの経済分析連続講義・デフレと経済政策 アベノミクスの経済分析
(2013/07/11)
池尾 和人

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 金融論が専門で、オーソドックスな経済学者、金融学者の池尾先生の本。

 アベノミックスについての分析については、円安に振れたのは、安倍政権の前から、ユーロなどの安定性がましてきた循環性のものであること、景気が盛り返したのは、潜在成長力とのギャップがあったところに公共事業の需要対策をうったこと、異次元の金融政策は、いわば将来ともずっと金利を下げ続けるという市場の期待に働きかけるものであり、一時、アメリカでも試みられたが、日銀が大量の国債をかかえることになり、長期金利が上昇した場合に、日銀の健全性、もちろん、国家財政の健全性に傷がつくきわどい政策であること、など、一般的にいわれていること。

 野口悠紀雄先生などとも同意見。

 個人的には、コラムその1の「マクロ経済学小史」が面白かった。

 小生は、1929年の世界大恐慌以来、ケインズ経済学というマクロ経済学と、ミクロの市場を扱うミクロ経済学が、不細工にくっついているサミュエルソンの新古典派総合というの学説の時代に教養学部で経済学をならった。

 そののち、アメリカのスタグフレーション時代にフリードマンを中心とする、マネタリストがでてきたが、これは理論的には経験則的なものが多く理論的にはうまく構築できなかった。

 そののち、1976年のルーカス批判で、オールドケインジアンの単純な消費関数などと違って、経済政策によって、人々や企業の経済行動が変化するはず、という批判を受け入れて、ミクロ経済学的な基礎づけを受けたマクロ経済学が生まれてきた。さらに、合理的な予想を埋め込んだ動学的なモデル、DSGEモデルで、かなり経済学の学派が一元化されてきた。

 このニューケインジアンモデルで、若干の違いは含みつつ、統一的な議論ができるようになってきたにも係わらず、2007年の金融危機以降、この金融危機を予測できなかったということで、再び、マクロ経済学についての混乱的な状況が生まれてきている。

 ちなみに、貨幣数量説に基づく、お金をじゃぶじゃぶすれば良いなどというリフレ派は、そもそもアメリカのマクロ経済学の流れではもう存在しないことにも注意が必要です。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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