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2014/08/06

小坂井敏晶『社会心理学講義』を読んで、これは心理学、社会学、哲学、政治学、経済学を横断する新しい社会科学の提案だ。

社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)
(2013/07/18)
小坂井 敏晶

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 ライフネットの出口さんの推薦。

 著者は、早くからフランスにわたって社会心理学を学び、その枠にとらわれずに社会問題を広く分析している。パリ第八学部の准教授。

 簡単には論評できないくらい奥が深い。自分としては、行動経済学の本などで断片的に頭に入っていた実験心理学もうまく整理できた気がする。

(1)認知不協和理論の章(p161)

 ある人が同性愛賛成という意見をもっている場合、そのグループに対して、自主的に高い報酬で、同性愛に対して反対の意見を書かせた場合と、低い報酬で反対の意見を書かせた場合には、低い報酬で書かせた方が同性愛に対して反対の意見に変える率が高い。

 これは、高い報酬をもらえば自分は報酬のために書いているという納得がえられるが、低い報酬で自主的に自分の意見に反する意見を書いていると、心理的に矛盾が生じて意見が合理化する、この場合には同性愛に反対するようになるということ。

 著者の言葉を借りれば「意志が行動を決めると我々は考えるが、実は因果関係が逆なのです。外界の力によって行動が引き起こされ、その後に発露した行動に合致するように意志が形成される。そのため、意志と行動の隔たりに我々は気づかない。」(p162)

(2)「人種差別は、異質性の問題ではない。その反対に同質性の問題です。差異を原因とするのではなく、同質の場に力ずくで差異をねつ造する運動のことです。」(p209)

 ドイツはもっともユダヤ人がドイツ社会に溶け込んでいた、外見や言葉でまったく区別できなかった、だからこそ、迫害がおきた歴史があるということです。在日朝鮮人とか同じ論理です。

(3)「多様な見解が衝突するなかで、暗黙の前提を新しい角度から見直す契機が与えられる。こうして多数派の見解にも少数派の見解にも収斂されない新しい着想が生まれる。社会という開放システムは異端者を生み続けるおかげで停滞に陥らず、歴史の運動が可能になるのです。」(p299)

 これ本自体、古典になるかもしれない。襟をただして、何度も読む価値あり。絶対的にお薦め。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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