ハンナ・アーレント『人間の条件』を読んで、哲学の基礎を失った科学の現状を憂いている気がする。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/08/09

ハンナ・アーレント『人間の条件』を読んで、哲学の基礎を失った科学の現状を憂いている気がする。

人間の条件 (ちくま学芸文庫)人間の条件 (ちくま学芸文庫)
(1994/10)
ハンナ アレント

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 ライフネット生命の出口さんの推薦。

 ずっと積ん読になっていた本。出口さんが多分いっていたが、古典を理解できないのは、読んでいる人があほだから、新しい本を理解できないのは、書いた人がアホだから。

 この本は難しい。

 最初の、仕事と労働の区分は、多分、1950年当時のマルクス経済学者の労働価値説、労働がすべての富を生むという主張への反論になっているのだと思う。労働と、仕事が違うというのもわかりにくいが、労働一辺倒ではないという主張と理解した。

 後半の、哲学と科学の話になってくると、わからないなりに、興味がわいてきた。

 アーレントは、ギリシャ哲学からキリスト神学、そして西欧のデカルトをはじめとする哲学の流れと、それと並行して進歩してきた、ガリレイとケプラー、そして明確に名前はだしていないけど、核爆弾をうんだ相対性理論と量子力学との関係を、ああでもない、こうでもないと議論している。

 結局、西欧が培ってきたデカルトの「我思う、ゆえに我アリ」といった哲学の基盤が一方ではっきりしない、そこが抜けている一方で、神学はだれもまじめに勉強して信じない、その一方で、宇宙論から超ミクロの量子力学まで発展して、原子爆弾とか、原子力発電所の事故が生まれてきている。

 その混乱状況を分析しているのだが、結局、ドイツが原子力発電行政を進めるかどうかについて「倫理」で議論したように、人のものの考え方、アングロサクソン的に言えば、コモンセンス、ドイツ観念論的にいえば理性、といった分野で政策判断をせざるをえない部分がでてくる。

 そこにユダヤ人の大虐殺をしたドイツ人を始め、大量虐殺を2回の大戦争で繰り返した、ヨーロッパの哲学者である藩ア・アーレントは立ち止まって思索をめぐらし、それにこれだけ難解なのに、古典として継続的に読まれている。

 この部分の、人間の理性とか倫理ってなんだ、何が人間の科学の暴走に歯止めをかけるのか、といった論点について、日本人もまじめに考える必要性を強く感じた。

 でもこの本は難解だった。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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