大野秀敏ほか『シュリンキング・ニッポン』を読んで、方向性はいいけど手法論がない。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/08/13

大野秀敏ほか『シュリンキング・ニッポン』を読んで、方向性はいいけど手法論がない。

シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の未来戦略シュリンキング・ニッポン―縮小する都市の未来戦略
(2008/08)
大野 秀敏、アバンアソシエイツ 他

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 人口縮小社会で、面的ではなくて線で都市構造を押さえて、都市財政の効率化を図るという発想はいいと思う。

 しかし、形から入っていて、実現手法がない。

 第一に、公共交通機関の駅から徒歩圏の800mより先を緑地にすうる。究極のコンパクトシティだが、どうやってそれより先の郊外の住宅や業務地を徒歩圏にあつめるのかという発想がない。というか、そんなことは不可能。今でも、郊外団地の住民はその住宅を買ってくれる人がいないから、住み替えができないのだ。二つ住宅をもつほど、年金に期待をしていないのだ。だから、駅前にマンションがたっても、郊外団地からの住み替えは非常に難しい。

 第二に、緑のまじきり。密集市街地を不燃領域率40%を目指して、共同化を進めるよりは、これはいいと思う。買収して空き地になっている空間を、地域住民の共同管理の菜園とか果樹園とかにして緑にする発想はいいと思う。ただし、地域住民管理というのが胆。今の市町村に小規模な防災公園を管理するお金も体制もないから。

 第三に、緑の網。首都高を緑道にするという発想は確かニューヨークでも事例があったと思うし、できたらいいと思う。しかし、首都高が財投という借金でできているので、収益をあげつづけなければいけないことを忘れてはいけない。収益をあげるのをやめたら、税金を投入するのか。そういう現実的な分析が必要。

 ファイバーシティの構想は、そもそも将来都市像について、自分とイメージが違う。自分はジーバーツのように、大小様々な「間」の空間が都市の中にもできるし、さらにそのそとに田園や山林の間に集落が散在する、多孔的、スポンジ状の都市構造になると思う。

 むしろ、それを前提にして、いかに、福祉サービスを含めた行政サービスを維持できるか、そのための工夫はなにか、地域共同体でできることはないか、できるとしたらどういう仕組みがいるか、などを考えるべきだと思う。

 建築家だから、形から入るというのは、結局実現しない夢を語っているだけになるので、感心しない。建築家の仕事の範囲を自らせばめていると思う。

 大野先生、厳しい指摘すいません。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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