『人口減少時代の都市計画』を読み直して、土地区画整理事業は今後もそのまま使えるという発想にあきれる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/08/15

『人口減少時代の都市計画』を読み直して、土地区画整理事業は今後もそのまま使えるという発想にあきれる。

 
人口減少時代の都市計画 (東大まちづくり大学院シリーズ)人口減少時代の都市計画 (東大まちづくり大学院シリーズ)
(2011/02/25)
大西隆、明石達生 他

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 以前も一回読んでコメントしている。http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-298.html

 結構、褒めているけど、今回、人口減少時代の土地区画整理事業の将来性に何の疑問も抱いていない岸井先生の論考は、あまりにピントがずれていて、すごい。(明石くんの論文とか小泉先生の論文は読ませるところあり)

 もともと、土地区画整理事業は耕地整理法から来ているように、新市街地の開発が得意。道がないところに道をつくって宅地にすると増進が大きいから、保留地減歩も大きくとれて事業が成立しやすい。

 しかし、人口減少時代に新市街地の開発はもういらない。

 既成市街地だと、ほとんど減価補償地区になって、公共施設、つまり道路をつくるための面的な事業となるが、人口減少時代は、自動車交通量も減って、新しく道路をつくる必要性は乏しい。それにそれに対応する都市財政の余力もない。

 密集市街地のような4m道路もないようなところは、本当はまだ道路整備の必要性もあるが、こんなところは権利調整が大変で、最近はほとんど事業が成立していない。

 要は、人口減少時代には、土地区画整理事業は及びでないということ。

 こういうと、敷地整序型とか地積確定型でなんとか生き残ろうとするのかもしれないが、地積確定を面的に行政処分でするのに土地区画整理事業のような面倒な仕組みをわざわざ使う必要もなくて、ちゃんとしたそのための手法をつくるの筋。それに市町村も、地積混乱地域は、公共事業をするのに不便だから問題意識を持っているので、これから新しい公共事業を既成市街地ですることはほとんどないから、そもそも地積確定型も使わないかもしれない。

 まだ、遠藤先生の市街地再開発事業は、身の丈再開発といっても事業採算がうまくとれない、といった苦渋の感があって、そうだろうな、でも市街地再開発事業も、もう東京都心以外は、必要性がないんだよねと、声をかけたくなる。

 そもそも、都市計画の専門家が、法制度を前提にして議論する仕方が、おかしいと思う。人口減少時代においては、都市経済が衰退し、都市財政の破綻寸前、郊外団地は空き家ばかり、既成市街地はシャッター街という状況で、どうやって、福祉とか医療とかのサービスを維持していけるっか、一人あたりのQOLを下げないでやっていけるか、が課題だと思う。それを解決する手段として、土地区画整理事業とか市街地再開発事業は、それが得意な行政マンとかコンサルタントはいるかもしれないけど、まったく問題解決能力が欠けていることは明らか。

 これらの問題を解決する手法を考えるのが都市計画の専門家の役目だと思う。

 ぼくは、今ある公共建築物を核にして公民連携事業で民間開発を誘導すること、その周辺にある道路とか公園、必要によっては土地を買いましてもいいから、公有地を活用して、仮設的な賑わい空間、屋台とか仮設店舗、移動販売車をおいて、公共施設の維持管理費をかせぎつつ、賑わい空間にかえる、その人の賑わいをさらに、リノベーションで空き家ビルなどを再生して、新しいビジネス拠点にするといった、手法が有効だと思う。

 それを都市計画制度から考えれば、公共建築物を核として、地域再生拠点であり防災拠点である都市施設として、公有地を拡大していく、それに国も今ならまだ補助できるので、用地取得補助を行う、その上で、民間は自己資金、自分で調達した金融支援、あとは政策金融で、様々なビジネスを展開していく、というのが次の市街地開発事業として求められている姿だと思う。

 日本では市町村は公有地を簡単に売却しすぎる。まちの真ん中の公有地は貴重な財産で決して負の財産にならないので、それをきちんとまちの中心に確保しておいて、様々な市場の動きに合わせて民間事業者につかってもらう、そういう戦略が大事だと思う。民間に稼いでもらえれば、借金して買っても負の遺産にならない、ちゃんと借金は返済できる。

 公有地をもって次世代につなげれば、仮に大震災があったり大災害があっても仮設住宅用地にもつかえるし、災害公営の用地にも使える、そういう備えとしても、公有地を日本の市町村はもっと大切に考えて、増やしておく努力をすべきだと思う。
 
 そういう長期的にみて、次世代の財産になるまちなかの公有地の拡大に対しては、国も支援すべきだと思う。土地の取得の補助金だしても、収用権を賦与しても、その上で活動する民間事業者にとって、固定費があがったり、初期費用があがって、起業が困難になるという問題は生じない。

 建物に補助すると、それを使う民間事業者の固定費を引き上げてしまって事業採算性を悪くする、今の人口減少時代にはそぐわない。この違いをよく理解してほしいと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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