小坂井敏晶『民族という虚構』を読んで、民族が虚構なことは当然だが、実は社会制度も虚構である。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/08/24

小坂井敏晶『民族という虚構』を読んで、民族が虚構なことは当然だが、実は社会制度も虚構である。


増補 民族という虚構 (ちくま学芸文庫)増補 民族という虚構 (ちくま学芸文庫)
(2011/05/12)
小坂井 敏晶

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 ライフネット生命の出口さんの推薦。

 最近、この著者の「社会心理学講義」という本を読んだが、内容はかなり重複している。http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-1885.html

 民族という意識なり考え方が実態として虚構なのは、読む前からそうだろうなと思った。

 しかし、民族というのが、そういうものだと信じることによって存在するのと同じく、社会制度、例えば、法律と貨幣とかすべて、つきつめれば虚構だという指摘は重い。

 民主政でも、王権が神から与えられたという主張に対して、神という概念を使わずに、その存在意義をいかにも論理的に説明しようとしているが、自然状態という考え方も一般意志という考え方も虚構だし、これを極端に論理的に突き詰めていくと、例えば、一般意志を委ねられた政府に指示され強制されることがまさに自由な市民のあり方になってしまう。(p209)

 これを虚構と考えた方が、全体主義とかの極論にいくのを踏みとどまれるし、みんながそう信じるという社会制度を守る意志の重要性が理解できる。

 また、最近の心理学の成果から、多数派よりも少数派の影響の方が、心理的に深層に影響を与えるという情報もおもしろい。複数の人が繰り返し主張をする事実に対しては、社会的な孤立を犯して主張する理由はなんだろう、といって検討に付される、といった心の動きが生じる。(p277)

 少数派と多数派が両方あって、相互に影響しあっていく社会、それも個人の単位での意見形成に影響し合うという心理学の社会的な知見が、結果として、民主政の正統性を支える議論になっている気がする。

 全体を通じて論理を追うのが難しい点もあるが、法律をはじめとした社会制度も、もっともだ、従うべきだとみんなが思っているということに支えられている虚構だという指摘は、制度に係わるものとしてきちんと受け止めたい。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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