建築学会『成熟社会の建築・まちづくり』を読んで、人口減少社会で今日本が転換点という危機意識が全然足りないと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/08/30

建築学会『成熟社会の建築・まちづくり』を読んで、人口減少社会で今日本が転換点という危機意識が全然足りないと思う。


市民と専門家が協働する成熟社会の建築・まちづくり (日本建築学会叢書)市民と専門家が協働する成熟社会の建築・まちづくり (日本建築学会叢書)
(2014/03)
日本建築学会

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 帯には、「未来のまちづくりと建築のあり方を大局的に展望する」と書いてある。

 全然、大局的でない。もちろん、個々の論考については、いいものぞろいで、今までの建築学会のセンスからすれば良い感じだと思う。

 しかし、この人口減少社会で、住宅も余っている、東京都心はグローバル経済で戦わなければいけないけど、それ以外の都市は、むしろローカル経済の中で、どうやって住民の生活環境を維持するか、悪くしないかが課題になってくる。

 建築家に求められる専門家としての、知識としては、この時代の転換点にあるという認識が極めて重要だと思う。

 もちろん、ちらっとふれてある、既存建築物のリノベーションとかコンバージョンが大事だと思うし、そうした時に大きく手をいれると法律に触れるのでほっておく、脱法的になるというインセンティブが働く、今の建築基準法の体系のあり方が大問題となる。

 もっといえば、建築家が時代の転換点を理解していたら、どうして将来空き家になって困ることがわかっている東日本大震災の災害復興公営住宅にRCの中層建築物が建つのか。どうして、もともと衰退している石巻に複数の市街地再開発事業が行われるのか。建築家は単なる請負業者ではないだろう。もともと都市計画とか建築の知識のない市町村で被災した職員や首長に対して、なぜ、サステイナブルで将来負の遺産にならない建築物を建築家は提案できなかったのか。

 そういう根本的な反省がないと、建築家は近代遺産になってしまうと思う。まだまだ危機感が足りないのではないか。

 そう、ちょっと檄をとばした上で、ちゃんといい提言がたくさんあるんで列記しておく。

(1)柳沢さんがかいた部分で、従来の建築許可の提案から、建築物の種類は分けて、あるいは地域を分けて、認定制度を提案している点。(p111)

 たぶん、都市計画家協会の提案で、許可制度のような裁量性のある提案から意見をかえたのだと思う。自分は、大規模な建築物や特定の地域に限定して、確認に代えてか、加えてかは別にして、市町村の都市計画・建築部局がチェックをするという仕組みは、私の持論の市町村の実務能力を踏まえるべき、という発想と合致していていいと思う。

 ただし、これは法律事務官の仕事だが、認定というのは、許可と確認の間なんだが、法制的に羈束裁量的に考えられているはずなので、あんまり仕組みとしてはお薦めしない。むしろ、届け出・勧告・是正命令の仕組みにして、建築基準法の基準と併存する形で制度化するのが合理的だと思う。この点はよく考えてみる。

(2)集団規定は民間指定確認機関でなく特定行政庁(?建築主事)が確認すべき。(p78)

 これは民間指定確認機関の創設時にいろいろ意見を個人的には住宅局にだしたが押し切られた部分なので、一筋縄ではいかないと思う。二日前に柳沢提言で運用ベースで協定を結んで、集団規定の特に土地に係わる部分は特定行政庁に民間指定確認機関に事前協議を求める大阪府方式から始めるのがいいと思う。

 その他、不勉強で読んでいなかった、都市計画学会「都市計画」272号(2008.4)と日本地域開発センター発行「地域開発」(2008.7)の都市計画法抜本改正特集を読んでみる。この点は自分の不勉強を恥じるのみです。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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