岡本正『災害復興法学』を読んで、実態に即し、歴史事実に即した好著。国家公務員の対応のだらしなさに怒る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/09/11

岡本正『災害復興法学』を読んで、実態に即し、歴史事実に即した好著。国家公務員の対応のだらしなさに怒る。


災害復興法学災害復興法学
(2014/09/13)
岡本 正

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 弁護士の岡本先生から献本いただいた。

 東日本大震災の主に、法律問題の分析、現行法及び改正法の解説、そして日弁連を通じた立法活動とその成果など、丁寧に記述されている。

 自分も役人の立場から、こういうわかりやすい本を書かなければいけないなと思った次第。

 この本を読みながら、自分の課題だと思った点。

(1)立法事実がありながら、省庁によって、改正作業への取り組みの熱意が違う。法務省とか、自慢になるが内閣府防災などは、相当な対応をしていと思う。それに対して、金融庁や原子力関係での文部科学省の対応はお粗末。弁護士の方と違って、税金で平時給料をいただいている、法律事務官がきちんとした対応をしなくては、まったく存在意義がない。
 自分自身の問題として、なぜそういう意識、意欲の減退、政治まかせの風潮になっているのか、それを打破するのはどうしたらいいのか、について、常に意識していたい。

(2)東日本大震災でも津波という自然災害への応急、復興対策と、原子力災害への応急、復興対策では、本来、責任主体や対応の仕方が大きくことなるはず。それを今は、災害対策基本法を借用するような形で、原子力災害防災特別措置法ができていて、かつ原子力災害に関する所掌が、原子力j規制庁、文部科学省、原子力委員会をもつ内閣府、復興庁など非常にわかりにくい。原子力災害防災特別措置法が災害対策基本法を借用する形になっているので、市町村の地域防災計画に自然災害と原子力災害を一緒に記述するなど、市町村の中での役割分担にも影響与えるし、そもそも誰が避難計画をつくるべきかの議論が、影に隠れてしまっている。きちんと原子力災害基本法をつくるべきだと思う。

(3)国の防災部局の事務方のトップである、内閣府政策統括官(防災担当)の職員は、もっと日頃から、弁護士、ボランティアグループ、社会貢献を行う民間企業(指定公共機関である公益事業者だけでなく、Googleとかヤフーなどの企業も含む)、学会などの連携や平時からの連携協定をつくって、その動きを市町村、都道府県にも周知することが必要だと思う。とかく、災害対策基本法は、その原案を旧自治省の官僚がつくったこともあり、従来条文も地方公共団体向け、それも防災部局向けの規定が多かった。
 今回の改正で、ボランティアの規定とか、民間事業者との協定、さらには地域共同体的な組織による地区防災計画、これは都道府県や市町村向けだが、福祉部局に向けた避難行動要支援者の規定を盛り込むなど、幅が広がってきている。これをもっと、公民連携の方向で進めるべき。

(4)もともと災対法や今回つくった大規模災害復興法では、地方公共団体の職員の斡旋の規定を内閣総理大臣が行う規定を設けたが、ボランティアの斡旋とか専門家の斡旋の規定をおいていない。これは宿題だし、平時にきちんとした規定を設けておけば、災害発生時の補正予算で必要な支援措置がとりやすくなるはず。

(5)公民連携や都道府県、市町村の福祉部局も含めた総合的な応急対策を実施するという観点からの問題意識。消防組織法第4条2項第21号で、災害対策基本法の、地方公共団体への連絡や地方公共団体相互の連絡は原則消防庁の仕事となっているが、これだけ、防災の仕事が、消防だけでなく、福祉部局やさらには、民間企業や民間の弁護士をはじめとする専門家、さらにはボランティアにまで広がってくると、この規定はむしろ適切な情報伝達の妨げとなっていると思う。
 例えば、個人情報保護条例の扱いなどは、都道府県の福祉部局の理解が不可欠だが、現実には、市町村や都道府県の防災部局がきちんとこの情報の趣旨を理解して、個人情報部局や福祉部局と連携しているとは現時点で、とても思えない。ただちに是正して、現在の各省庁の所掌分担を前提にすれば、消防庁だけでなく、厚生労働省や国土交通省、農林水産省など一斉に関係する地方公共団体の部局に同一の連絡をすべきと考える。インターネットの時代なので、まったく同時に一斉に情報を流すのは問題ないはず。

(6)最後に、やはり、自然災害は頻発するので、自然災害に対する国の組織のあり方の早急に議論をすべき。
 小生は、緊急事態をひとくくりにして、治安維持とか、さらには原子力災害と、自然災害を一緒の組織にするのは、ただでさえ、専門知識が非常に異なることなどから適切ではないと考える。
 まず、自然災害に対する応急対策、応急・復旧対策をする防災・復興庁のような組織が、動きやすいし、世の中の広い理解も得られるのではないかと思う。
 下部機関として、消防庁と気象庁を持ってきて、内閣防災の組織とがっちゃんこするイメージ。また、国土交通省の防災部局ももってくる。現状では、内閣防災に地方支分部局がないのが、国の現地災害対策本部の実力が発揮できないところなので、国土交通省や農林水産省の出先機関の職員に併任をかけて、具体的な防災センターを各ブロックごとに設置して、職員への指揮監督権をその防災・復興庁が持つというのはどうだろう。
 今の地方財務局が財務省と金融庁の指揮監督を受けているのと同じイメージ。
 そうすれば、広域災害でもブロック単位で、もっとものごとが処理できるし、災害救助法や被災者支援法などの制度の運用のアドバイスや、運用の修正も、現場に即して柔軟に対応することも可能になると思う。
 また、防災と復興もばらばらにしないで一体的にすることで、仮設住宅から公営住宅とか自立再建などの方向への一体来に生活再建や産業再生が可能となるはず。もちろん、まったくの思いつき。
  国民の理解が得やすい、自然災害の対応を優先して、より、強い防災・復興官庁をつくったらいいと思う。まあ、自分が役人のうちにはできないかもしれないが。

 岡本先生の優れた本を読んでいて、いろいろ妄想がわいてきたので、備忘録的にメモしました。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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