「LRT整備の新展開」(運輸と経済2012.10)を読んで、人口減少社会での都市財政問題とLRT導入の可否につい正面から議論していない。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/09/12

「LRT整備の新展開」(運輸と経済2012.10)を読んで、人口減少社会での都市財政問題とLRT導入の可否につい正面から議論していない。

 「一般財団法人運輸調査局」の雑誌。

 今日、訪問する早稲田大学の森本先生の論文を探していて、LRT特集があったので、国土交通省の図書館から借りてきた。

 小生は、現在の地方都市において、新たに、公共交通システムを導入するとしたら、どういう基準で、LRTとバス(BRTを含む)の判断をしたらいいのか、という論点を追求している。

 この雑誌では2年ほど前ながら、行政実務者や学者、LRT経営者が議論や論考を載せている。

 正直言って、人口減少社会で都市財政が厳しくなっていくなかで、軌道という初期投資が大きく、また、一度整備したら、赤字が垂れ流しになるLRTについての課題意識が低い。

(1)室さん(冨山ライトレール株式会社経営企画部長) 冨山ライトレールは年間7000万円の経常的な補助を富山市から受け入れていることに触れたあとで、「そもそも地方の鉄道では、運賃収入で初期投資の費用を回収したりサービス向上のために再投資することは、できないので、一定程度の行政の支援があって初めて安定的な交通サービスが展開できると考えています。」(p13)

 う~ん、最初からそう開き直られてもな、と思う。税金を出し続けるということが前提なら、都市税収が今後どんどん減るなかで、どうやって維持するのだろう。

(2)波床正敏先生(大阪産業大学教授) LRTの軌道整備はすくなからぬ費用がかかるため、代替案として連接バスと専用レーンとかや優先信号システムとを組み合わせたBRTが提案されることがあり、確かに周到に用意すれば、BRTは輸送能力も速度も鉄道方式と変わらないと指摘したうえで、「公費を投入してまで建設し、運営する価値があるかなどについて、都市のリーダーが十分に理解する必要がある。」(p22)

 おいおい、そこが結論かい?まさに、そこが論点でしょう。BRTとLRTが輸送能力や速度も変わらないなら、安くて、将来人口が減ったときにも路線を縮小したり変更しやすい、バスの方がいいということにならないのか?最初、LRTありきで、学者が論理や技術論を詰めずに、都市のリーダーの理解に押しつけては、問題はより混乱するだけだと思う。

(3)岡正將男(全国路面電車ネットワーク委員長) 「私は全国路面電車ネットワーク運営委員長として、まず、交通基本法制定後、全国の地方公共交通財源を現行の300億円から500億円まで増加させ、毎年50億円1都市のLRT化に集中投資できる環境整備を行う必要があると思う。」(p85)

 そもそも、国も財源が厳しいときに、どうやって財源を探すのか、本来、受益者負担が原則なのだから、まず、料金で収支を確保することが大事なのではないか。また、経常的な運営赤字をどう考えるのか。

 小生は、少なくとも、中心市街地での交通規制をかけて自動車進入を制限すること、経常黒字となるようきちんと運賃をとること、もし市が経常的の予算補助するのであれば、駅周辺の固定資産税や都市計画税をあげて、その増収分を基金化して、LRTに入れるといった、現在でも破綻寸前な都市財政の中できちんと税収を確保する方法をとるべきだと思う。

 人口減少社会で、通勤通学利用者が減少することが予測され、現時点より、どんどん公共交通機関の採算性が悪くなることがわかっているのに、最初から経常赤字が前提の交通システムを導入すべき、と推奨するのは無責任ではないか。

 もっと説得力をますよう、関係者の議論を期待する。自分も議論を深める。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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