筒井清忠『昭和戦前期の政党政治』を読んで、政党の私的混乱とそれを過剰に非難するマスコミが穏当な政党政治を壊したと知る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/09/14

筒井清忠『昭和戦前期の政党政治』を読んで、政党の私的混乱とそれを過剰に非難するマスコミが穏当な政党政治を壊したと知る。


昭和戦前期の政党政治―二大政党制はなぜ挫折したのか (ちくま新書)昭和戦前期の政党政治―二大政党制はなぜ挫折したのか (ちくま新書)
(2012/10)
筒井 清忠

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 FB友達の三原さんの推薦。

 筒井さんって、政治学者の中でも切れると思う。

(1)初めて知った事項
ア 西園寺公が後藤新平氏のことを「まるで気狂のようだ」と酷評していたこと。(p41)

 都市計画の世界では後藤新平氏は呼び捨てにするのがはばかれるぐらい、尊敬されているが、政治の世界ではまた別の評価

イ 田中義一総理への天皇陛下の失跡は、単独で考えたことではなく、宮中側近のアドバイスに沿ったもの。この背景には、西園寺公のあいまいな事前の意見表明があったこと。(p147)

ウ 小泉元総理のおじいさんの小泉又治郎逓信大臣は電信電話の民営化に熱心に取り組んだが、実現しなかったこと。(p164)

 もしかして、郵政民営化もおじいさんのあるのか?

(2)全体的な印象
 政党政治が大正デモクラシー、普通選挙として発展しながら、斉藤実内閣で終止符を打たれた歴史をみると、

ア 政党同士の私闘とスキャンダル探し、疑獄事件と、政党自体の腐敗が目立つこと。その一方で、加藤高明総理や浜口雄幸総理など高潔な人材もいたが、逆に、高潔主義が高踏主義になって、きちんとした国民の理解をえて、政党政治を発展させるという、泥臭さに欠けていたこと。

イ マスコミの満州事変などを経て、部数獲得や不買運動への対応から、大手新聞がすべて好戦的な記事に大転回するとともに、政党政治に対する批判を繰り返して、政党への国民の信頼を失わせる結果を導いたこと。

ウ リベラルで評価の高い西園寺公も、宮中と天皇を守るという観点のみで、結局、議会制民主主義や政党政治を守ると言う観点が最後はおろそかになったこと。

 議会制民主主義は、きれい事では選挙にかてないこと、特に現在は小選挙区制なので、党首の人気が高ければ雪崩をうって勝てることなど、筒井先生のいう「劇場型政治」になりがち。

 そのなかでも、冷静の政治経済の状況を歴史も踏まえて理解し、分析し、発信する、マスコミの役割や、学識経験者や知識人の役割が重要になっていると思う。

 今は、個人でもいろんなツールで発信できるし、情報交換もできる。一つの視点だけでなく、複数の視点、世界との比較、歴史からの分析など、縦横斜めで政治を分析し、議会制民主主義が守られるよう、自由と民主主義が守られるよう、自分も含めて、いろんな勉強と発信を続けたい。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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