萱野稔人編『現在知 日本とは何か』を読んで、若手の政治学者、歴史学者の切れがいいね。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/09/15

萱野稔人編『現在知 日本とは何か』を読んで、若手の政治学者、歴史学者の切れがいいね。


NHKブックス別巻 現在知 vol.2 日本とは何かNHKブックス別巻 現在知 vol.2 日本とは何か
(2014/03/19)
萱野 稔人

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 確か大村先生の推薦。

 読んでみると、自分がよく知らなかった若手の論考がいい。

 もちろん、定評のある橋爪大三郎先生、井上寿一先生、三谷博先生の論考もいい。

 気づいた点。

(1)役所の先輩の大石久和さんの論考は、この中で唯一、理系の論考だと思うが、「国土の自然条件は日本社会のどう影響したのか」というテーマで、鉄道、道路、河川などのインフラや農業集落の話はでてくるが、森林や農地の話、農業やほかの産業という視点が全くない。これは、さすがにテーマに比べて、論考の範囲が狭すぎないか。例えば、湿潤温暖な気候は世界でまれなほど豊かな森林資源を日本に与えているが、これが日本の社会に影響を与えていないとは全く考えられない。

(2)今谷明先生の「封建制が、産業革命をもたらした」、その前提として、「封建制が法の支配をもたらした」「封建制は平安時代の治安の悪化からうまれてきた」「江戸時代の封建制の安定から、商工業の発展が生まれた」(p175~)の指摘はおもしろいい。

(3)下田淳先生の「日本は、都市と農村との間の経済循環と、農村内での職の棲み分け(農民と鍛治屋の関係など)が生じて、貨幣ネットワークが江戸時代には完成していた、これが、明治以降の産業革命にスムーズにいった原因」(p123~)の分析も今谷先生が扱った事象を違う視点から言っている。

(4)須田努先生の「江戸時代前までは、農村集落同士で入会地などで暴力沙汰があっても相手を全滅されるまえに手打ちをして講話が結ばれる、江戸時代からは暴力装置はすべて領主が吸い上げて、裁きも領主が行う仕組みにかわった」という歴史認識もそうかなと説得力あり。(p97)

 参考文献『新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書)、「封建制の文明史観」(PHP新書)、『ヨーロッパ文明の正体』(筑摩選書)、『幕末の世直し』(吉川弘文館)、『鉄砲を手放さなかった百姓』(朝日選書)、『近代ヨーロッパの誕生』(講談社選書メチエ)、『現代帝国論』(NHKブックス)、『百姓たちの水資源戦争』(草思社)。

 若い先生と思ったが、ほとんど自分と同世代。中堅の社会科学系の先生方でした。社会科学系も頑張ってるね。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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