後藤治ほか『都市の記憶を失う前に』を読んで、文化財行政の問題点など納得する点多し。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/09/21

後藤治ほか『都市の記憶を失う前に』を読んで、文化財行政の問題点など納得する点多し。


都市の記憶を失う前に―建築保存待ったなし! (白揚社新書)都市の記憶を失う前に―建築保存待ったなし! (白揚社新書)
(2008/04/20)
後藤 治、オフィスビル総合研究所「歴史的建造物保存 他

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 FB友達の確か益尾さんの推薦。

 著者は、実際の文部科学省文化庁で建造物の文化財行政を行った経験に基づいているので、文化財行政に対する批判が厳しい。

 以下、本を読みながら思った点。

(1)国の役所には、僕を含めて法律事務官が多い。その法律事務官がきちんと建築j技術のこととか、歴史的な価値のこととか、バランスよく判断できないと、結局、既存の法体系に縛られて、時代とともに、価値が高まるとともに、破壊の危険性も高まっている、歴史的な建築物の保存や活用について、不適切な判断をしてしまうこと。

 これは自分もよく心したい。

(2)歴史的建築物の文化財行政は、後藤先生も市町村の都市計画部局が担当すべきと言っているが、現実にも、市町村の都市計画部局には建築技術者や都市工学を学んだ職員がいるので、その方が実態としても適切だと思う。そのような専門家がいない町村では、今の建築行政や開発許可行政のように、都道府県の都市計画部局が行えばいいと思う。

 それを実現するためには、文化財行政のうちの建築物や工作物に係わる部分と歴史まちづくり法や建築基準法のうちの歴史的建築物の特例に関する特例を内閣官房の地域活性化本部事務局に移したらどうか。今も産業遺産の世界登録事務を地域活性化本部が行っているが、それをもっと体系的に整理して正式に位置づけたらいいと思う。
 個別の法率事項を移すのが難しければ、今の都市再生特別措置法のように国家的な調整組織や国としての歴史的建築物の保存などの歴史まちづくり方針部分を内閣で所管して、その方針の下に、文化庁とか都市局、住宅局が個別法律の所管をして、それぞれが一つの市町村の今の都市計画部局を技術的に指導するという法体系、組織論はどうだろうか。

(3)容積率の移転の制度(「特例容積率適用地区」)については、歴史的建築物の保存、活用な防災緑地などに容積移転の対象を限定すべきとの主張(p234)については、全く同感。

 この本でも書かれているように、東京駅の駅舎の保存のために創設された制度が、いつのまにか一般的な容積率移転の制度になったので、そのような大胆な制度は、住宅が混じっている近隣商業や住居系(低層専用を除く)では、容積率の受け手の土地で高容積率の建築物が突然たつこと、それによる近隣紛争を懸念して、都市計画部局はとても使えない。
 そもそも、容積移転は、容積率が基盤の整備状況とのバランスで決まっている制度の存在理由を突き崩しかねないので、容積率の出しての公共性が高くないと、無理して、この制度を使う説明が市町村ではつかないと思う。
 また、現行制度では、個別の案件がでた時に特定行政庁が容積率を指定することになるが、住民参加という観点と事前の都市計画部局の一定のコントロールという観点から、容積率の受け手側の土地の容積率の上限を都市計画であらかじめ決めるといった措置も必要ではないか。この特例容積率適用地区の問題はもっと深めて勉強してみる。
 備忘録としてネットでみつけた論文http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-1946.html

(4)その他、容積率と建坪率の5%の割り増し分を開発業者が買い取る形といて、その資金を歴史的建造物の保存、活用にあてるアイディア、地役権の活用、宝くじの収入の活用、消防法と建築基準法の安全管理の課題、公的保険、事故調査委員会など、おもしろいと思うけど、自分も勉強不足なので、もう少し考えてみる。

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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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