三木理史『都市交通の成立』を読んで、ややマニヤックな論文集だが、いろいろimplicationあり。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/09/22

三木理史『都市交通の成立』を読んで、ややマニヤックな論文集だが、いろいろimplicationあり。


都市交通の成立都市交通の成立
(2010/03)
三木 理史

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 先日読んだ「都市交通の世界史」の三木さんの論考部分が面白かったので、同じく三木さんの論文集を国土交通省の図書館で借りてきた。

 ややマニヤックな論文集だが、制度立案の参考になりそうな歴史的事実あり。

(1)東京に比べて大阪市は市電やバスの市営事業に戦前こだわっていた。特に、戦時中の燃料統制を背景に、陸上事業調整法を使わずに自主調整で大阪乗り合いを買収した。(p78)戦前期の都市交通は地方交通や都市計画と関係した内務省の守備範囲として意識されていたが、戦後、内務省が解体され、大都市への影響力が低下したのを機に運輸省が都市交通審議会を通じて、内務省の聖域に積極的関与を行い、民間鉄道事業者の市域への参入を進めた。(p113)

 もちろん、現在、市営事業で都市交通をすべて行う、市営モンロー主義はとりえないが、人口減少社会の中で、新たな需要が見込まれず、むしろ減少しつつあることを前提にして、公共交通機関を成立させるためには、もう一度、都市計画的な考え方から、市に都市交通全体を調整する権限を与えることも十分ありえると思う。

(2)戦時体制での軍需工場への通勤を確保するため、1942年の旅客運賃改正で、従来国民労務手帳の適用者のみであった工員定期券の対象を、鉱夫、土木建築作業者、運転関係労務者まで拡大し、割引率の大きい6ヶ月定期も発売した。(p190)

 通勤定期は、ラッシュの混雑を誘発するという議論があるが、その歴史的発祥としては、戦時体制があるようだ。

 なお、ちらっとしか書いていないが、戦前の中央卸売市場が鉄道と一体なっており、大阪中央卸売市場が整備された時には、商工大臣が類似の市場の閉鎖命令が出された(p316)とのことだが、現在の卸売市場法は農水省の所管で、物流の観点が薄いのが課題のような気がするので、どういう経緯で農水省の所管に移ったか、興味がある。

 参考文献 持田信樹『都市財政の研究』。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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