スティーブ・R・バウン『壊血病』を読んで、学問的成果も政治に左右された歴史には注意したい。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/10/13

スティーブ・R・バウン『壊血病』を読んで、学問的成果も政治に左右された歴史には注意したい。


壊血病 医学の謎に挑んだ男たち (希望の医療シリーズ)壊血病 医学の謎に挑んだ男たち (希望の医療シリーズ)
(2014/08/27)
スティーブン・R. バウン

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 18世紀の大航海時代に、スペイン、イギリス、フランスなどの帆船による航海で、壊血病が蔓延して、水兵の大半が壊血病で倒れて、海戦にならなかった時代が続いた。

 例えば、アメリカ独立戦争当時は、壊血病にビタミンCを多く含んだ、生のレモン汁がいいといった知識がなかったため、イギリス海軍は新大陸を継続的に封鎖できずに、フランス海軍による新大陸の独立軍を支援することを許し、それがアメリカ独立につがなった。

 それから20年後の1795年ころには、イギリス海軍のみは、イギリスの上流階級の医師、ギルバート・ブレーンがレモン汁が壊血病に効くことをイギリス海軍上層部に説得したため、ナポレオンの指揮するフランス・スペイン海軍を打ち破るとともに、フランスを海上封鎖することができた。

 このレモンなど生の柑橘類が壊血病に効果があると最初に主張したのは、1747年に船医助手として、簡単な対照実験を行って効果をみつけたジェームズ・リンドという医師。しかし、当時の海軍は、柑橘類が高価であったこと、リンドの階級が低く、海軍の中枢に直接話ができなかったこと、王立協会会長のブリングルがリンドの説を批判し、当時安く保存がしやすかった麦芽汁が有効との主張をして政治的に影響をもったことから、結局、ブリングルが死亡し、そして、上流階級のブレーンがリンドの説を復活させるまで、無意味に多くの水兵たちが壊血病で死亡していった。

 科学の真実というのも政治や権威にねじ曲げられるという格好の事例。

 よくよく現代の我々も注意したい。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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