持田信樹『地方分権の財政学』を読んで、基本的に現行地方財政制度を支持している著者が批判している点が気になる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/10/18

持田信樹『地方分権の財政学』を読んで、基本的に現行地方財政制度を支持している著者が批判している点が気になる。


地方分権の財政学―原点からの再構築地方分権の財政学―原点からの再構築
(2004/04)
持田 信樹

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 きちんとした実証分析を踏まえて、安易な地方交付税への批判はおかしい、という視点で書かれた論文集。

 地方交付税が、地方公共団体の自主的な増収努力を阻害しているとか、無駄な地方債の起債を誘導しているといった批判に対して、きちんとした実証的証拠はないと指摘している。

 自分は、そもそも、国土の均衡ある発展というのが、国土政策上放棄され、それぞれの地域で自立的に成長することがうたわれているのに対して、どうして、本来もっと都市部に投資しなければいけない税収が地方部の人があまりいない地域に面積を一定の標準として配る必要があるのか、それによって、無駄で効率的でないお金の配分になっていないのか、という問題意識はある。

 しかし、この本は、そういう根本的な哲学論には直接反論せず、少なくとも、「地方交付税が、地方公共団体が新しい独自財源を探そうという努力を惜しんでいる、いわば自分で財政を健全化しようとすることへのディスインセンティブになっている」という事実は立証できないとする。

 しかし、少なくとも、「地方債に対する交付税措置および交付税特別会計借り入れにより、個別地方自治体は「地方借り入れ残高」の半分以下しか債務として認識していない可能性がある。この乖離が地方公共団体に「財務錯覚」を発生させ、必要以上に単独事業が膨張して、地方債の累積を招いた基本的原因と考えられる。」(p280)と述べている。

 借金しても後で国が交付税で面倒みてくれるから、借金しても大丈夫と公言している地方の役人もいるので、少なくともそれは事実なんだろう。

 本来は、都市も地域の経営という観点から、いつまでも国からの配分というお金を充てにすることなく、自分の地域でできるだけ税収を確保して、その範囲内でまわす、その範囲内で少なくともインフラの維持管理とか単独事業の収支をちゃんととるということは大前提だと思う。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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