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2014/10/17

丹保憲仁『都市・地域水代謝システムの歴史と技術』を読んで、水行政の観点からの分散型システムの提案はおもしろい。


都市・地域水代謝システムの歴史と技術都市・地域水代謝システムの歴史と技術
(2012/07)
丹保 憲仁

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 かばちゃんの推薦。

 水の歴史と管理手法を、上下水道、河川、地下水、そして地球循環の観点から幅広く説明した本。

 スケールの大きな本。

 小生は、最後の著者の分散型の水循環システムの提案がおもしろいと思った。

 今までの大都市の大量の清浄な水資源を求めて、上流部の大流域を対象にして、ダムをつくり水をあつめて、大量に消費する仕組み、現状では先進国は200から300リットル/日/人使用する仕組みを見直し、もっと小さな範囲で、清浄な水は地球全体で対応可能な50リットルに押さえて、そのかわりできるだけ汚水、雨水や工場排水をまぜすに、小規模プラントで処理して、再生水を農業や生活の雑排水に利用する仕組み。

 著者は「水環境区」と名付けている。(p421)

 水の世界もやはり分散型という指向がある。エネルギーと同じだと思う。

 ここで、やはり最近の地方創生での都市間連携などの発想は、こういう水循環とかさらにいえば、エネルギーの分散型ネットワーク、情報のウェブ型ネットワークなど、様々なネットワークのパターンが重なり合っていることへの知見があまりに乏しいと思う。

 都市間の高速道路網や新幹線などもできて、都市と都市の連携とかネットワークは様々な結びつきは、フラクタルでもあり、セミラチスでもあるという複雑系のネットワークで構成されているという発想があれば、隣接する都市間連携とか、拠点となる都市が発展すればその周囲の市町村が水のしずくがしたたるように豊かになるといった発想は幻想だとわかるだろう。

 前にも述べたが、都市構造、地域構造のこういう複雑系のネットワークを前提にすれば、公共交通機関の周囲に居住とか福祉などの都市機能を集めるという発想も、いかにも短絡的で具体的な効果が見込めるものではないと思う。

 市町村などといったもはや住民が直接意識にしくい空間概念ではなく、まずは、近隣といった地区単位のまとまりでの様々な共助のサービスの仕組み、自分は、コミュニティ開発法人のような地区再生法人のような仕組みがいいと思うが、そのような単位での、エネルギー、水、福祉、防災などのサービスをできるだけ自立的に運営する仕組みを構築した上で、その上のレベルは、様々なサービスが効率的に提供できるそれぞれのネットワーク体系につないでいく、と言った発想が必要なのではないか。

 例えば、医療は近くの診療所でだめなら、まちの郊外にある市町村立総合病院、それより高度な治療が必要なら第三次医療機関である県に一つぐらいある専門総合病院にかかるといったネットワーク構造になるはず。

 水であれば、小さな水環境区からそれを全体として支える流域単位の水環境圏に結びついていくという発想。

 従来型の市町村の行政区域を単位にして、その中の中心的な拠点都市に機能をコンパクト化する、そして国の財源を配るという発想は、いかにも、視野が狭く時代遅れだと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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