村上敦『キロワットアワー・イズ・マネー』を読んで、地域のお金を地域で回す発想はいい。太陽光発電に期待するのははてな。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/10/28

村上敦『キロワットアワー・イズ・マネー』を読んで、地域のお金を地域で回す発想はいい。太陽光発電に期待するのははてな。


キロワットアワー・イズ・マネー ~エネルギー価値の創造で人口減少を生き抜く~ (いしずえ新書)キロワットアワー・イズ・マネー ~エネルギー価値の創造で人口減少を生き抜く~ (いしずえ新書)
(2014/10/02)
村上敦

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 地域で払うお金が外に流出しないで、できるだけ地域で循環するように考えるという著者の発想は基本的に賛成。

 その上で、気づいた点。

(1)太陽光発電は、その系統電力の電力会社の高値での買い取りが前提となっている。これは、受益と負担が合っていない。太陽光発電を進めることが本当に国策として、エネルギー政策として重要ならば、きちんと国税で支援するか、国税をまける仕組みにすべき。その系統電力を使っていて、マンションなどに住んでいて太陽光発電ができない電気利用者が負担するのは筋がおかしい。また、著者もちらっと述べているが、ドイツでも固定価格での買電はどんどん価格がさがって、ほとんど太陽光発電会社は成立しなくなっていると理解している。日本でも系統電力会社が買い取り拒否を始めている。そもそも、太陽光発電を電気利用者に料金をオンして普及させようとする経産省の発想が論理的に無理がある。

(2)太陽光発電は、技術進歩が遅い。「ゼロ トゥー ワン」での述べられていたが、ITの二,三年で機能が1000倍とか急激に技術進歩するのに比較して、エネルギー効率も悪いし、当然ながら夜や天気が悪い時には発電できない。系統電力に頼らないためには蓄電池など電力をためる施設が必要となるがこの技術もあんまり進歩していない。技術進歩の遅い分野は現状で、自らのコストでは地産地消が成立していないことから考えると期待できない。

(3)むしろ、日本のように急峻な地形では、小規模な水力発電の方が可能性があるのではないか。農山村などでは、山際から沢水が流れてているが、そういうところに小さな水力発電施設を設置したら、集落の電力はまかなえるはず。系統電力が全国に広がる前には、そういう小規模な水力発電施設が実は集落ごとに結構存在したと読んだ記憶がある。これなら、電気が一番必要な夜にも発電できる。昔は発電しすぎたときに、電気をつけっぱなしにしていたという話を聞いたが、これなんかも、もう少し今なら蓄熱するとかうまい方法がありそう。

(4)著者のドイツの事例による断熱性能をアップするリフォームや新築の促進、特に、新築時での高い省エネ基準の義務づけには大賛成。

 日本の省エネ基準はあまりに低すぎ。近代的なオフィスとか新しいマンションでも未だに一枚ガラスで済むというのは、日本のようにエネルギー供給が不安定で、その大部分の資源を海外に頼っているというハンディをしょっている国の建築物としてはあまりにおそまつ。将来のまさに正の資産とするためにも断熱性能基準を義務づけすべきだと思う。(ドイツの事例はp158)

 なんで、こんなに日本は断熱性能に無頓着なんだろう。もちろん、ドイツのように全室暖房をしない日本の場合にはエネルギー消費自体はすくないかもしれないが、風呂やトイレで温度差で倒れる高齢者の存在も考えると、断熱性能をよくして、ライフサイクルコストを押さえることはビジネスとして当然成立しると思う。

 また、ドイツのように新築が住宅建築投資の20%台(p61)になる時代がきても、断熱リフォームで工務店や建築家が飯を食っている。これが日本のハウスメーカーや建築家の生きる道の一つだと思う。

 なお、この本の最初で、3.11の直前に国土政策局が発表した国土の長期展望を分析しているが、この分析と最近の国土のグランドデザインとが整合せいているか、気になるので勉強しなおしてみる。

 ちょっと、とっちらかった本だが、刺激的ではある。

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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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