『黒いアテナ 下』を読んで、やっぱり民族意識、白人優位意識が古代史をねじ曲げると知る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/11/04

『黒いアテナ 下』を読んで、やっぱり民族意識、白人優位意識が古代史をねじ曲げると知る。


黒いアテナ―古典文明のアフロ・アジア的ルーツ〈2〉考古学と文書にみる証拠〈下巻〉黒いアテナ―古典文明のアフロ・アジア的ルーツ〈2〉考古学と文書にみる証拠〈下巻〉
(2005/11)
マーティン バナール

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 著者のアナールは、この「黒いアテナ」というプロジェクト(この本は2冊目、4冊書く予定らしい)は、「学問における人種差別と反ユダヤ主義の影響に反対する」ことと明確に述べている。(p933)

 この本を通じて、ツキデデスとかヘロドトスといった古代人は自分たちの先祖がエジプトとフェニキアという中東からの移住者と理解していた。これを著者は古代モデルという。

 これに対して、19世紀前半に、欧州の先祖であるギリシャは、北方であるアーリア人が素朴なギリシャ人を征服したという偏見にみちた学説をとなえ、それが欧州の通説になっていた。

 著者は、これに対して言語学、陶磁器などの考古学に加え、さらに科学的な時代確定法を用いて、古代モデルを前提にして、さらにその時代考証を明確にした、「改訂版古代モデル」を唱えている。

 例えば、ギリシャのミケナイという都市には、エジプト神殿の基礎に置く記念銘板が出土し、その上薬を鉛同位体分析してギリシャで製造されたことがわかった。(p862)

 これはギリシャでエジプトの祭祀が主体的に行われていた可能性を示す。

 カシュ沖で発見された難破船からの積み荷の状況からも、紀元前14世紀には、エジプトが、今のパレスチナ、トルコ、キプロスから、ギリシャ、クレタ島と巡って貿易をしていたがわかる。エジプトはこの地域での一番の文明国だったということ。

 また、前18世紀に伝説で行われたという、第12王朝の黒人のファラオ、セソストリウスとその息子のアメネメス2世が、遠くバルカン半島やカフカス半島まで進出したということも、新しく発見された第12王朝のミト・ラヒーナ碑文で裏付けだれ、事実の可能性がでてきた。

 この本はとても厚く、特に、言語学の知識がないと、ついていけない部分があるが、最後の結論という章で、手際よく自分の結論をまとめているので、ここまで来るとほっとする。

 ちなみに、著者は日本の歴史分析からヒントを受けたと、日本人向けの序文に書かれているが、日本の歴史分析でも、もっと大陸との関係や沖縄や北海道との関係を、偏見なしに分析する態度が重要だと思う。もちろん、自分は歴史学者ではないので、分析自体はできないが、自国優越主義を持って歴史を見ることだけは避けることとする。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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