寺西重郎『経済行動と宗教』を読んで、鎌倉仏教からくる求道主義が日本のもとづくりにつながるという指摘はおもしろい。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/12/04

寺西重郎『経済行動と宗教』を読んで、鎌倉仏教からくる求道主義が日本のもとづくりにつながるという指摘はおもしろい。


経済行動と宗教: 日本経済システムの誕生経済行動と宗教: 日本経済システムの誕生
(2014/09/11)
寺西 重郎

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 なんでこんなに小難しい本買ったのかな。

 著者は経済学者で、マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義」にならって、日本の宗教が日本の資本主義にあたえた影響を分析している。

 ぷろ倫もそうだが、別にデータがあるわけでもなく、いろんな学説を引っ張ってきて分析しているが、日本の鎌倉仏教の解釈とか、日本の土地所有権制度の分析とか、マニヤックな人にとってはおもしろいし、わかりやすい。ちなみに自分はこの部分は関心が高いマニヤック派。

 カルビンの宗教改革、勤労を重視する考え方、神の予定説が、現実世界での勤勉さを実現してイギリスの資本主義を支えたという主張ぐらいにぷろ倫をまとめると、この寺西説は、鎌倉仏教の易行主義(念仏さえ唱えれば成仏できる)が、知的インフラを現世界に向ける可能性を生み足し、その集団での成仏を共同して目指す考え方が、日本のものづくりにマッチしたということ。

 あと、英国は、労働市場がある程度自由化していたので、いわば工場側が大量生産して市場で売りさばく形の供給主導型で資本主義が進んだが、日本は労働市場が固定化していて、特殊技能は「道」として、「いえ」に固定されていたので、特殊技能を求める需要者主導型で、資本主義が発展したという主張もしている。

 ちなみに、こういう社会学的な分析はおもしろいが、これだけ、中国とか東南アジアでも資本主義が発展している現時点でみると、財産権の保障、市場秩序を維持する法治システム、資本をたくさん集められる有限責任である株式会社制度などの制度インフラの整備が、資本主義のスタートアップに必要なのではないか、と僕は考えている。

 逆にいうと、中国のように、必ずしも厳密に法治主義が守られていないし、著作権などの財産権もきちんと保護されていない、株式会社制度も、株主よりも共産党の影響が強いという国では、まっすぐに資本主義が発展していくのは難しいのではないかと思う。いろいろこれから紆余曲折があるのではないか。

 このめまぐるしい変化の世の中の中で、鎌倉仏教から日本の資本主義を分析するという視点の本を読むと、ああ、そういう見方もあるのか、となんか心洗われる感じがするな。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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