水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』を読んで、今の経済状態は危機的だが、それにしても資本主義が終焉するとは思えない。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/12/09

水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』を読んで、今の経済状態は危機的だが、それにしても資本主義が終焉するとは思えない。


資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
(2014/03/14)
水野 和夫

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 最近、話題の本。キンドルの日替わりセールで安くなっていたので購入。

 今の日本の経済、そして欧米の経済状態が危機的な状況にあるとの指摘は理解できる。

 しかし、資本主義、多くの市民から有限責任である株式を通じて資金を集め、財産権の保全の仕組みでもって、投資を行い、富を増やす仕組みが、著者のいうところの「周辺」がなくなったことによって、終焉してしまうという指摘には疑問がある。

 要は、経済成長は、労働、資本、そしてイノベーションで行われ、労働と資本には、いままでのような画期的な拡大というのが期待できないのは理解できる。先進国だけでなく中進国でも所得水準があがってきて、労働生産性が単に低所得の国で生産することによって、生まれるというわけにはいかないから。

 資本については、成長しないと蓄積しないので、単独で、増えるものではない。

 しかし、イノベーションについては、もう起こらないとは仮定できないのではないか。高城剛氏がベット2035年の世界の本を書いているが、30年前には今のインターネットとか、オフィスで各人がパソコンで仕事をするなんて全く想像できなかったわけで、この後、例えば、遺伝子工学とかロボットなど画期的なイノベーションが生じないとも限らない。

 イノベーションが生じやすいような環境を作れば、国際社会の中で成長していくことは可能だと思う。ただし、その場合にも、グローバル経済の中での競争になるので、成長の成果の一部を使って、低所得者層への再配分をきちっと行わないと経済社会の安定がはかれないと思う。

 なお、EUについては、著者とは別の観点から、ドイツにその他の国が全部ぶら下がってドイツの富で支援するという枠組みにドイツ国民がいつまで我慢できるのか、という観点から疑問を持っている。完全に財政政策まで統一すると国民国家の枠がなくなってしまうが、そこまでの統一をしないのであれば、ドイツ経済で他の国を支えるシステムは、長い将来からすると、持続可能性がないような気がする。もう一度、EUは分裂していくのではないか。もともと独仏の平和条約から始まったのが、東欧まで含んでの財政移転の仕組みとなると、ドイツの負担が大きすぎる気がする。

 ただし、その問題を抱えているからと言って、欧米の資本主議が終焉を迎えるとは思えない。

 なお、異次元の緩和を世界的に継続すれば、株や土地の資産がバブルになるとの警告はそのとおりだと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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