スチュアート『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』を読んで、外国勢力の進出でずたずたになったアフガンの地域社会を知る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

2014/12/25

スチュアート『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』を読んで、外国勢力の進出でずたずたになったアフガンの地域社会を知る。


戦禍のアフガニスタンを犬と歩く戦禍のアフガニスタンを犬と歩く
(2010/04)
ローリー スチュワート

商品詳細を見る


 9.11の直後、米国のCIAを中心としてアルカイダをかくまったタリバンを掃討した。その直後に、イギリス人の著者は、アフガンの北部、山岳地帯を歩いて横断した。その記録。

 淡々とした日記風の記録を読みながら考えることしきり。

(1)クルド人、スンニー派、シーア派、ハジク族、タリバンなど様々なグループが、ソ連、タリバン、そして米国に対して、協力したかいなかで分裂し、さらにもともと宗派や地域間紛争で、それぞれのグループが行き来ができない地域を外国人である著者が、奇跡的に歩いて横断したこと。これ自体、読んでいてとてもおもしろいのだが、外国勢力が地域を制圧するために侵出するたびに、部族間の対立が複雑になり、深刻になっている事実は否定できないこと。

(2)マララちゃんの話にもあるように、タリバンの女性蔑視、抑圧的な政治スタイルは西欧的な価値からは許しがたいことだが、地域によってはタリバンの時代の方がよかったとか、ケシの密栽培などは、タリバン時代の方が厳しく規制されていたなどのことを知ると、単純に、西欧的価値観から、西欧的正義感から、こういう辺境の地に軍隊を派遣することが良いことかどうかについて悩む。

(3)著者がいきて生還できたのは、それぞれの地域での宿とか食事を提供する風習に助けられているが、著者は、現地の司令官などの紹介状をもって歩いているのに、意外と冷たく扱われるケースが多く、著者自身、イスラム教徒が旅人に親切というのはうそだと言っている。まあ、戦禍のあとで疑心暗鬼になっていることと、徹底的に貧しい土地だということも背景にはありそうだが、ステレオタイプの判断も禁物だなと思う。

(4)イザベラバードが日本を歩いた明治維新と同じようなシチュエーションだが、違うのは、常に、銃器で地域住民が武装していること。銃器だけが現代的な品物という国というのは、悲しいし、それをもたらした西欧諸国の責任も重い。

(5)最後に、イスラム教なのかこの地域のイスラムの考え方なのかわからなかったが、犬を不浄のものとしてさらろうとおしない、犬を連れていると、別の犬に喧嘩するように仕向けるとか、闘犬をやらせようとする風習にも大きな違和感を感じた。

 とりとめもないけど、現在社会、西欧社会になじんだ自分としては、驚くべき反応ばかり。この青年が生きてイギリスに帰り、本を出せたことで、秘境である、アフガン北部の状況が、かいまみれたことはありがたいことだと思う。

 あと、余分は感想だが、こういう地域はそもそも識字率が低く、女性を抑圧している思想に凝り固まっているので、西欧的な代表制民主主義を根付かせるのはとても大変なことだと思う。まず、医療と教育、それに対して女性をどうやって家庭の奥から引っ張り出すか、といった地道な活動、国境なき医師団のような活動は本当は大事だと思う。武力で一時的に圧倒しても、人の考え方がかわらないと、少なくとも、民主的で自由な国家はとてもうまれそうもないと痛感した。
スポンサーサイト
pagetop

コメントの投稿

非公開コメント

pagetop
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。